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【展望】
宝塚記念の裏開催、福島のローカル色漂う中距離のオープン特別、福島テレビオープン。実はこんなところにGI馬が出てきたりする。それもクラシックホースだ。近走は不調の極みにあるからこそ宝塚に出られずにこちらに出てくるのだが。他にも、以前は実力を認められていた馬だが、近走冴えないと言った馬が非常に多く登録していて、レースとしては凄まじく難解な一戦。地味にWIN5のカギを握るレースとなりそうで、何が復活してもおかしくない、そんな状況にあるといえそう。
相手筆頭は上がり馬トランスワープ。福島民報杯ではオープンの壁に跳ね返されたが、前後半が速い流れで道中団子になり、勝ちに行く競馬では苦しかった。それでもオープンでテンの速さが通用したというのも大きいし、福島ならコーナーまでの距離が短い1800mに変わるのはプラスに働きそうだ。前走もテン1Fは12.2の流れ。テンは速いので、包まれる危険性が小さいし、内枠を引いた方が良いだろう。何気に前走で持ち時計を大幅に更新しているし、前走の内容なら序盤楽に運べればこの馬の持続力は通用するはず。それにアメジストSで見せた12.6 - 11.0 - 11.0 - 11.6のラップからの二の脚突き放しからも、本質的にはこういった要所での機動力が売りだと思うので、前走で厳しい競馬で時計を詰めてきたなら、今回は面白い存在だろう。逃げ馬もイケトップガンやセイカアレグロぐらいならハナを叩けるはずで。
3番手には穴になるかどうかすら危ういが、一応人気薄のミキノバンジョー。ここ数走はやや迷走状態となっていて手探りな印象は否めないのだが、こちらも正統派ロベルトらしいL1の落ち込み型だと思っている。西部スポニチ賞という小倉2000mの1000万下レースを連覇しているのだが、昨年は少し中弛みがあってから、11.6 - 11.4 - 11.3 - 11.3 - 12.3の流れで外から最速地点をじわっと押し上げてL1の落ち込みで突き放す競馬。一昨年は平均ペースから11.9 - 11.8 - 12.0 - 12.1 - 12.2の流れで内目の好位を追走、直線馬群を捌いて抜け出し、外のキクカタキシードと2頭で千切る内容。本質は恐らくここにあるだろう。タフな競馬は歓迎だが、基本的にはグラス産駒らしく高速馬場に強いので、今週の馬場状態によるところもあるだろう。ここ数走は条件や展開で恵まれない点が多すぎた。ここは相手関係が混とんとしているし、流れが落ち着かずに出入りの激しい競馬になってくるとこの馬には追い風となりそう。もちろん秘めた能力も高い。
4番手には持続力は良いものを持っているトップカミング。メトロポリタンSでは好位から進めるも、12.0 - 11.1 - 11.0 - 11.6と勝負所での瞬発力で置かれ、トップスピードで見劣ったが、L1の落ち込みでジリジリと粘っていて、この馬の本質がよくわかるレースとなっている。逆に好走ともいえる福島民報杯では12.3 - 11.9 - 11.9 - 11.5 - 11.8とL2最速ではあるがロンスパ戦。それでも勝負どころで押し上げていってL2で弾かれ気味になると置いて行かれる。そこからL1で思った以上に伸びてしっかり食い込んでの5着。勝負所がスムーズだったらもう少し際どかった。逆に言えばこの馬の弱点はそれであり、今回もそういった面で恵まれないと苦しいかもしれない。ただし、長くいい脚という点ではオープンでも通用するものを見せているので、そういった展開が訪れれば勝負になる馬だろう。
菊花賞馬ビッグウィークがグランプリレース宝塚記念が行われる中、福島でひっそりと逆襲への牙を研ぎ澄ます。もう完全に終わった馬認定が下された馬ではあるのだが、前走で一瞬見せ場があった。最内ぽっかり空いたスペースを使って3~4角で3番手からすーっと押し上げていった。そこから直線の伸びはイマイチだったが、ハンデ57.5kgに11.5 - 11.4 - 11.6 - 11.7 - 11.9 - 12.3という6Fの超ロンスパ戦、早め仕掛けを考えれば決して悪い競馬ではない。それでも、強調できるほどではないというのも事実。あくまで、流れに乗れたというだけの話。これをきっかけに、復活してくるようなら面白いのだが。この馬は高速馬場でスローの4F戦ぐらいが一番いいとは思う。今の福島だと少し厳しいかな。
同じく終わった馬認定されているアドマイヤメジャー。正直かなり期待していたんだけど、流石に近走は何か歯車が狂ってしまったとしか言いようがない惨敗のオンパレード。ナカヤマフェスタが勝った宝塚記念の同日、垂水Sの内容は本当に抜けて強く、時計的にもラップ的にも宝塚に出ていても勝負になったと思わせるほどの内容だった。12.1 - 11.8 - 11.8 - 12.2 - 12.5とL4からの勝負で2F落とす持続戦。これでコーナーで多少ロスなく回したとはいえ、直線外に進路を作ると伸びは素晴らしく、L1で完全に突き放した。相手がミッキーペトラやナリタクリスタルだったことを考えても、この馬は本来相当なポテンシャルを持っていたはずである。それが近走は全く競馬にならない形。それでも鳴尾記念では先行することができた。ウィリアムズが乗ったことで、何かのきっかけになってくれればいいが。垂水Sや、アンドロメダSの時のように、今の時計が掛かっている印象の福島はこの馬にはベストな条件のはず。これでもまだ人気しそうなのだが、この馬の垂水Sのパフォーマンスがどうしても忘れられない。とにかく復活してもらいたい。
一方で復活の手応えがありながら、また長期休養明けとなるのがオーシャンエイプス。もう8歳馬になったのかというのが本音。六甲Sでは外から前傾ラップでジリジリと伸びて、、東京新聞杯では平均ペースで中団から良い脚を使って最後まで伸びてきていた。能力的にはまだまだ健在だとは思うが、今回も1年以上の休養明けという点がポイントになってきそう。休み明け初戦は走らない叩き良化タイプでもあり、これまでのパフォーマンスが高く、ここでは人気をそれなりに集めそうな条件だけに、切るなら切った方が被害は小さいかもしれない。来たら来たで割り切れるかどうか。追い切りの動きを見ることができればいいが…。
最後にイケドラゴンまで。中日新聞杯では良いところなく先行して失速した形だが、もともとこの馬には2000は長いし、タフな馬場で差し馬有利の状態で苦しい競馬になった。ずらりと二けた着順が並ぶ中、唯一の善戦と言えるディセンバーSでは中山1800mの舞台で1番枠からポンと好スタートを切ると番手で競馬。そのまま番手の外から4角先頭に立つと、一旦は番狂わせかと思わせるほどだったが、L1の坂でばててしまって2着とは僅差の5着。この内容からも1800mがベストだと思うし1周コースの1800mで、平均的なスピードを活かせそうな舞台、更に適度に時計が掛かる今の馬場はこの馬にはおあつらえ向きともいえそう。相手関係からも、レース運び次第では一発があっても驚けない。
http://blog.livedoor.jp/catassan/archives/6328947.html 06/21 17:32
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