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【最終予想】
◎ナイアードは傾向からも確実に京都1200専用機。坂スタートで楽にハナを切ってそこから軽いスピードを維持するタイプ。前傾ラップの小倉や洋芝の函館SSだと単純なスピード持続力で苦しかった印象。新潟1000mはスピードに乗ってからというよりもスタートの出足とトップスピード勝負になるので、上り坂ですっと先行できるスピードと、そこからトップスピードを維持する能力は京都で証明済みなので、1000mへの短縮で牝馬が強いこの重賞、比較的内でも問題なかった今の馬場なら一発十分。
〇エーシンダックマンはシルクロードSや淀短距離Sで見せた坂スタートでの出足の良さを評価。今回は外枠を引くことができたし、近くの枠だとパドトロワやジュエルオブナイルぐらいが先行争いに加わってきそうだが、坂スタートでのテンの速さならこちらの方が上とみる。オーシャン、宮記念、CBCとここ3走は時計が掛かるタフな馬場で持ち味の軽いスピードを殺されてしまったのは大きいし、今の軽い新潟は合いそうで。
△パドトロワは2列目からの抜け出し候補。直線コースに強いミスプロ系というのも良いし、恐らくハナ争いになるエーシンダックマンの後ろぐらいで競馬が出来そうな条件も良い。徐々にではあるが上昇傾向にあると思うし、軽い馬場では若干スピード不足だとは思うがエーシンの後ろからしっかり加速できれば。
【展望】
夏の新潟風物詩、直線1000mの重賞アイビスサマーダッシュ。毎年このレースで勢いに乗ってサマースプリントを沸かせる牝馬が出てきていて、エーシンヴァーゴウ、カノヤザクラ、サンアディユと言った牝馬がここで勝鬨を揚げて短距離界を引っ張ってきた。今年も牝馬優位の印象ではあるが、短距離路線を沸かせてきた実力馬に上がり馬、3歳馬など幅広く登録。混戦模様ではあるが楽しみな一戦。このコースは枠による影響が非常に大きいので、枠順が決まってから本格的な予想と行きたいところだ。
中心は快速逃げ馬エーシンダックマン。シルクロードSでロードカナロアに敗れこそしたが、坂スタートからスピードに乗って下り坂でトップスピードに乗るという競馬をしてきているのは多少上り坂スタートでトップスピードに乗って戦うという新潟1000mと繋がりやすい。前走は休み明けもあったが重馬場でかなり苦しいペースを刻む競馬になった。もともと高速馬場で平均的なラップを刻んで良さを出してきたタイプだけに、あそこまでペースが上がって目標にされてしまうと辛かった。今回は新潟1000mという舞台で、持ち味の坂スタートでの出足の良さを引き出せそう。同型は強敵でもこの馬の力も相当なもの。今回は鞍上に蛯名を擁して心機一転。
相手筆頭には夏は牝馬を地で行く昨年の覇者エーシンヴァーゴウ。昨年はここを勝って、更にセントウルSまで勝ってサマースプリント女王となった。その勢いでスプリンターズSでも3着に入った実力馬。しかし今年に入ると全く勝負になっていない。ただシルクロードSでは勝負どころの下り坂でエンジンが掛かって前の壁に突っ込んでしまったし、オーシャンSは重馬場で苦しくなった。楽に前につけることができる先行力と、それを維持する持続力が高い馬なので、新潟1000mならやはり期待できる1頭だろう。ただし、昨年と比較して1kg増、斤量面の影響が小さくないコースではあるので、前走のドバイ海外遠征明けということまで含めて昨年とは過程面で不安が大きい。それをどう扱うかで地力や適性面に不安はない。
3番手には近走やや不満が残る内容が続くパドトロワ。前走はタフな馬場で強気の競馬。内枠でロスなく乗った実力馬2頭と後方からの馬が上位の4着ではあるので、内容面では悪くはないし地味ながらも上昇しているのは確かだろう。福島民友Cも外不利の馬場状態で中目を通してキレ負けした形。今回はごまかしのきかない新潟1000mなのでむしろこの馬の力を出し切るという点では良い条件ともいえる。ただし、抜けて先行力があるというタイプではないので、その点で序盤にしっかりと進路を確保できるかどうかがポイントとなるか。一変してもおかしくない馬ではあるし、このコースに強いミスプロ系というのも後押し。そろそろ。
4番手には穴どころからシャウトラインを抜擢。新潟1000適性自体は高い馬で、条件が揃えばいつやってもおかしくない馬。特に近走は先行するもののハナには立てずに伸びきれない内容が続いているが、道悪で積極的に攻めた割に大きく崩れなかったオーシャンSを見ると、ここでも十分戦える状態にはあるように感じる。先行力はここでも通用するが、あとは休み明けでどこまで仕上がっているか。なかなか骨っぽい馬が相手だが、この馬も力だけなら通用していいので。
3歳勢からはビウイッチアス。前走バーデンバーデンCで実力馬テイエムオオタカを問題としない競馬。ハナに立てそうな先行力を抑えてテイエムに行かせて、コーナーで楽に後続を突き放し、直線でテイエムを競り落とす横綱競馬。タフな馬場で良さが出ている印象ではあるので、軽い新潟、それも1000mでスピード勝負となってどうかという点は未知数。それでも、前走はかなり先行力に余裕があったしまだまだ底を見せていない。崩れたのは流れに逆らった競馬になったマーガレットSだけなので、3歳勢では中心の1頭だろう。
もう一頭気になる3歳馬レオンビスティー。前走函館SSでは積極的に先行策に打って出たが、11.9 - 11.4 - 11.8のラップで意外と勝負どころで加速する流れでは悪くなかった。L1で止まりすぎている印象で、どうも力の要る洋芝向きの感じではなさそう。比較的軽い馬場だったクリスマスローズSではここで中心の1頭でもあるビウイッチアスを抑えての勝利でもあり、ここでは人気の盲点となりそうな1頭ではある。高速馬場だったNZTでも外からしぶとく伸びてきているし、ファルコンSでも重い馬場で平均ペースを中団から差し込む競馬。1200は少し短い印象もあって、1000mがどう転ぶかは正直ギャンブルではあるが、嵌れば通用しても良いだけの素材。
大穴はナイアード。前走は半年ぶりの休み明け、函館の重い洋芝で激しい先行争いを繰り広げて失速した形。この馬は京都では安定したテンの速さを見せていて、京阪杯でもすっとハナを切れているが、前走も函館重賞でハナにはたてていて、坂スタートが良いような傾向を見せているので新潟1000mはプラス。また新潟1000実績もあるが、総じて軽い馬場で結果を残している馬で、前走の洋芝函館から軽い新潟に変わってくれば当然巻き返しを期待していい。京阪杯は相手関係を考えてもかなり評価できる内容のはずで、ここは人気薄になるだろうが条件的にはかなり厚く狙いたい一頭。
CBC賞で新たな一面を引き出したオウケンサクラも参戦。中団から押し上げて、勝負どころで置かれてL1の落ち込みで再び差し返してくる持続馬の傾向を1200mで見せた。今回は高速馬場の1000mと条件面で不安はあるが、まずはスピードに乗ることが先決だろう。高速馬場短距離戦では安土Sでしっかり対応できているし、スピードに乗りさえすれば、そこからの動き出しやトップスピードは通用する。それだけに、出来るだけ内外から来られない枠が良い。欲を言えば外枠が欲しいところだろう。ここ3走でかなり安定しているし、状態的には完全に持ち直してきている。1000mにもある程度対応できそうな感触はあるが、そろそろ人気しそうなので馬券的には難しいところかもしれない。
勢いで言えば小倉の申し子ジュエルオブナイル。前走は福島で勝ち上がってきたが、好位から溜めて4角で外に出し直線で捻じ伏せるというような形。前傾ラップでスピード持続力を活かす競馬を見せてきた。この辺りは小倉巧者らしい単調な短距離戦での勝負で勝ち上がってきたという評価で良いと思う。京都1200でも準OP彦根Sならハナに立つスピードは見せていたし、勝ち馬もエーシンヒットマン。坂スタートでも不安はない。あとは単純に力関係ともいえそう。前走は見た目的には辛勝ではあったし、相手関係を考えるとここは試金石の一戦の枠は出ないか。それでも直線1000mという条件で夏の牝馬の勢いの一つの要因、54kgという斤量は牡馬に比べると大きい。勢いを買うのも一つの手だ。
最後にもう一頭、直線競馬で怖い1頭アフリート産駒のアポロフェニックス。この馬はすでにこのレースで実績があり、適性面で不安はない。福島民友Cでは外不利の馬場状態で中目の先行策、これでキレ負けした形でもあるし、先行力を見せたという点では面白い。宮記念でも着順ほど差はなかったし、ここにきて先行力を見せてきたのは買い材料の1つ。ここは相手も手ごわいし、2か月の間隔明けと過程はベストとは言えないが、ヒモ穴の魅力は十分にある。
http://blog.livedoor.jp/catassan/ 07/22 10:43
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