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【予想】
◎マイネルホウオウは、前走で12.2-11.6-11.2-11.9の最速地点でグンと反応して押し上げるトップスピードが魅力。加えて1:49.5とそれなりの時計勝負の中で更に加速できているという点も大きく、重賞で多少ペースが上がっても対応できるだけの内容を見せている。加えて差し有利で死んだふりズドンがよく決まっていたAコースから、先週を見る限り内を立ち回って機動力を活かすタイプの馬が好走しているCコースに変わっているというのも器用さがあるこの馬には追い風。ラウンドワールドと比較しても、L1で差しこまれた形なので、前走のように勝ちに行く競馬から、今回内で上手く立ち回れそうな点から逆転濃厚とみる。
〇トーセンパワフルも器用さを評価。前走新馬戦のみだが12.2-11.4-11.0-11.3の流れで置かれずに反応して最速地点でしっかりと伸びてきていて、この点は評価できるしトップスピードで見劣らないのはこの血統では大きい。もちろんペースが上がってこの脚が使える保証はないのだが、この血統から考えればペースは上がった方が良いタイプだと思うので。この枠で有力馬を見ながら好位~中団ぐらいで運べれば。出来れば先行してほしいが、前走の新馬戦から大幅なペースアップは確実なのでそのあたりに不確定要素は残る。ポテンシャルはNO.1だとは思うが本命にはし辛いかな。
△タマモコンパスは遊びというか、穴狙いの1頭。前走時計は平凡だったけど平均ペースの1500mで追走できていたという点は評価したいし、12.3-12.1-11.9の流れでコーナーで終始窮屈ながら直線進路を確保するとすっと反応して突き抜けていたのは面白い。距離延長は良さそうだし、時計以上に不気味なレース内容だったので、波乱を起こすならこの馬かなとも。
ラウンドワールドはCコースで外枠を引いたのはちょっと痛い。ここ3走見てもすっと動けるタイプではないのは間違いないので、ある程度前目で運ぶか、中団から早めに動くか。いずれにせよ内が有利な馬場で外から押し上げる必要はあるし、馬場も高速状態なので極端にL1落ち込むような競馬になるかどうかも怪しい。平均的なペースになれば勝ち負けに加わってきても良いけど、現状だと注文が付きそう。
【展望】
南では小倉2歳S、そして北では札幌2歳Sが行われる今週。クラシックを意識する馬たちの登竜門となっているレースで、例年に漏れず今年も有力馬が殺到してきた。コスモス賞の上位馬たちも中心だが、新馬戦のパフォーマンスが評価されている良血馬の走りがやはり最大の見どころだろう。今の時計が出やすい札幌の芝という状況もあり、例年以上にクラシックと直結する可能性が高いだけに、2013クラシックを占う上でも要注目の一戦となるだろう。
中心はダービー馬ロジユニヴァースの全弟、新馬で強烈なパフォーマンスを示したトーセンパワフルだ。父はネオユニヴァースで兄ロジユニヴァースもこの札幌2歳Sを制して名乗りを挙げた1頭。この馬も兄の行く道をたどって、行く先はクラシックということになるのか。新馬戦だけしかないので判断はこれに尽きるのだが、新馬戦によくある超スローからのトップスピード勝負でしっかり対応できたというのはこの血統を考えれば評価できる内容だったと言えるだろう。特に12.2 - 11.4 - 11.0 - 11.3と加速する流れだったとはいえ、要所で置かれずにしっかりと反応できた点はアドバンテージとなりそう。ペースが上がった時にどうかという点はあるが、血統的にはパワー型スピード持続タイプだけに、ペースが上がってむしろ良さが出てくるタイプのように感じる。それに前走で最低限以上のトップスピードを見せているし、レースセンスという点でもやはり1枚上の存在。相手も強くはなるが、ラウンドワールドが上位ならば当然この馬を中心視すべきであろう。
相手筆頭にはコスモス賞2着で力を見せたマイネルホウオウ。12.2 - 11.6 - 11.2 - 11.9とL2最速L1落ち込むレースとなったコスモス賞で早めに押し上げて目標になっての2着。五分のスタートから割と楽に先行集団に取り付いたしペースを考えると良い先行力を見せているのはここでは武器になる。それに加えて4角ですっと反応して一気に前を捕えに行ける抜群の反応。最速地点ですっと動けるというトップスピードの高さを見せているのは大きい。結果として早仕掛けとなってしまったが、もう少し序盤に良いポジションを確保してラウンドワールドを待つ形で競馬ができていれば面白かったと思わせる競馬だった。今回は相手は強力になるが、頭数も増えるのに加えてCコース替わりで内有利の馬場状態。更にトーセンパワフルという強力な同型を見ながら楽に競馬が出来そうという点は歓迎。この馬の先行力、動き出しの良さというのはどんな展開にも対応できそうという点では非常に大きい武器となるだろう。
3番手には実績最右翼のラウンドワールド。新馬戦ではトーセンパワフルに敗れたが、超スローで序盤に不利もありポジションを上げられなかった分が響いた。とはいえ、動き出しという点では最上位相手に多少見劣るという所は露呈させた。最速地点では伸びていなかったので、基本的にはトップスピードの持続力を活かしてくるタイプだろう。前走コスモス賞でも同様に12.2 - 11.6 - 11.2 - 11.9の最速地点4角で反応しきれず遅れたが、L1のバテでしっかりと伸びを見せて差し返す形に。この2戦からはトップスピードで最上位馬相手には少々見劣るというのと、動き出しがちょっと遅いので、後ろから仕掛けが遅れると届かない危険が高いかなという印象。前走は前目につけられたが、要所で出し抜かれてしまった。今回はCコースに変わるので、これは致命的になりそう。勝ちきるには脚をしっかり出し切れるかどうかが非常にポイントとなってくるだろう。この馬の場合は変に内で溜めたりせずに、外から前の馬にプレッシャーをかけに行く形で競馬をするのが理想ではなかろうか。その点で、今回どういった競馬をしてくるかは楽しみではあるが、条件としては前走に比べると厳しくなる可能性は高い。
4番手には札幌で上がり最速33.7を繰り出して完勝したコディーノ。ラップ推移は超スローから12.7-11.9-11.3-11.1という流れ。L1最速だが全体時計を考えれば当たり前。ラップ推移からも遅い段階で押し上げてトップスピードに乗ってしまった方が良い流れだったので、上り3Fが早いのは11.9-11.3の段階で既にある程度スピードに乗っていたことが大きいと思われる。Aコースで外差が利きやすい状態だったし、超スローだったのに序盤の出遅れで追走に苦労していたことを考えるとCコース替わりでペースが上がって良さが出るかどうかは結構難しいところではないか。個人的には上位も強敵だし人気を少しでも集めてもらいたい。内枠は出足が遅いこの馬にはプラスに働くだろうが、今の札幌の馬場だと純粋な持続戦、脚を出し切る競馬になるかどうかは微妙なところで、展開次第ではスピードに乗れずに終わる可能性も高い。不安の方が大きいと思われるが2走目で激変してくるかどうか。特に序盤が重要だろう。
エデンロックもまずまず。前走は12.7-11.8-11.1-11.6のラップ推移で逃げ切るというよりは差し返すという形。要所での反応ではグリーンラヴに見劣っていたが、併せ馬になってからがしぶとかった。時計的にもラップ推移からもまずまずの評価はできるだろうが、5頭立てでかなり楽なレース運びだったことは確か。フレンチの仔なので、本当によくなってくるのは古馬になってからの可能性が高いのは確かで、この強力なメンバー相手にどこまでやれるかはまだ未知数ではあるが、新馬の内容からは通用してきてもおかしくはない。前回同様すんなりとハナを切ることができるか。
道営からの参戦馬ジェネラルグラントも圏内。前走クローバー賞では平均的なペースだったが、外枠から楽にスピードに乗って番手を確保するスピード能力を見せた。その上で、12.1 - 11.8 - 11.8 - 11.7というラップ推移で最内上手くポジションを押し上げた評判馬アットウィルに出し抜きを食らう形で伸びきれずの2着だった。L1最速戦ではあり、全体時計はそこまで早いわけではないが平均的なラップを刻んだうえでL1最速のレースを外々から勝ちに行く競馬で2着に粘った点は評価できる。4角まで手応えに余裕があったが、その割に伸びきれなかったところは微妙で、距離が延びてどうかという不安はあるが、基礎スピードはかなり高くここでは最上位と言っていい。外枠なので、前回同様壁が作れない番手の外辺りが想定されるが、しっかりと折り合えれば好勝負可能。スローになると折り合いにも苦労しそうだし、動き出しが問われる展開になると不安は大きいので、出来ればある程度のペースで流れてほしいところだろう。
函館2歳S2着馬コスモシルバードが札幌の1800mにどう対応してくるか。例年でも結構勝手が違う函館芝1200mと札幌芝1800mだが、今年は増して函館は例年より芝が重く、札幌は例年より芝が軽い傾向だけに、なかなか判断が難しいところだろう。函館2歳Sは11.4 - 12.1 - 11.7 - 12.5と道中で12.1が刻まれるなど、前傾ラップになりきらずに、良質なスピードが問われない展開ではあったが、緩みで先行集団に取り付いて、4角で上手く外に出しその勢いでL1のバテ差しという形でもあるので、やや嵌った感は強いレース。時計的評価もしにくく、同日の3歳未勝利と時計的にそう変わらないので、中団で平均的な競馬をしているこの馬の評価は難しいというのが本音。距離が延びて良さが出てくればとは思うが、現状はちょっと厳しいとみる方が良いような気はします。
最後にタマモコンパス。前走は4頭立てということもあり評価が難しいが、平均ペースで追走に少し苦労している印象はあったので、距離延長は良いかもしれない。終始内ポケットの3番手で競馬、12.1 - 12.3 - 12.1 - 11.9のラップで3~4角何度か内で詰まり、特に要所の4角でかなり窮屈になりながらも、直線進路が開いてからは抜群の反応を見せ、後は千切り捨てるパフォーマンス。レースレベルは微妙なので何とも言えないが、1500mの平均ペースをある程度は追走できるスピード、そしてそこからのギアチェンジは良かったので、距離が延びてよくなるタイプではないかと思われる。今回内枠を引けたので、これも面白い。上手くトーセンパワフルやマイネルホウオウと言ったあたりの後ろのポジションを確保できれば戦えそうではある。序盤のポジショニングが前走より重要になってくるので、ここが課題。一発十分の魅力を持っているように感じるが。時計的には強調できないものの、ある程度の流れでL1最速というのは評価できる。
http://blog.livedoor.jp/catassan/ 09/01 11:46
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