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【予想】
◎ヤマニンキングリーの前走は平均的な競馬になったのもあるし、落鉄が影響したこともある。昨年勝っているときは13.1 - 12.8 - 12.1 - 11.7 - 12.8と中弛みからの加速戦ですっと動いて楽勝しているように、基本的にダートではこの動き出しの良さを活かして他馬に先んじてスパートをかけて押し切ってこその馬のように感じる。本質的には多分長距離に適性があると思うし、序盤追走に脚を使うとまるっきり良さが出ないところからもスピード勝負よりは緩んでの要所の動き出し勝負向き。芝スタートで序盤からペースが早くなりがちで、2角過ぎでどうしてもペースが緩むこのコースではこの馬の良さが全開に出てきそうだし、今回は相手関係もかなり楽。今度こそ。
〇タガノロックオンは過程が良くないとはいえ、いくらなんでも人気なさすぎ。師走Sでは12.8 - 12.4 - 12.3 - 12.1 - 12.7とスローからの動き出し勝負で接戦を制しているし、昨年のシリウスSでも4着と敗れてはいるが13.1 - 12.8 - 12.1 - 11.7 - 12.8と加速ラップで最内に入ってしまって、要所で置かれたのが敗因。最後は伸びてきていたしワンテンポ仕掛け遅れが致命的になった形。力で考えればここでは五分以上に戦える馬なので、外目から順々に流れに乗って競馬ができれば。ゆったり運べる方が良いはずで、中弛みが生まれる阪神2000は本質的には合うはず。外目で競馬して要所で置かれなければ。
△エーシンジーラインは追い切りが良かった。すっと反応してペースアップできたし、阪神2000は一貫ペースではなかなか逃げ切れないので、緩めて加速する能力があるというのは良い。もともと芝でも前半スローに落としてロンスパ戦で押し切ってきた馬なので、ダートならこのコースは合いそう。芝スタートというのも良いし、しっかりハナを取りきって、しっかりレースを緩めて主導権を握れれば。
グレープブランデーはそもそもこういった緩んだ形で不安があるし、前走の内容を見ても、本質的にはスピード持続戦向きだと思うので、この距離で緩んじゃうと良さは出ないと思う。
メイショウタメトモは動きがちょっと目立たなかったので。タガノロックオンと選ぶのに悩んだ。正直消したが自信なし。オッズも良いところなんだよなあ…。
【展望】
東でGI戦線の開幕を告げるスプリンターズSが行われるが、土曜に西ではダート重賞シリウスSが行われる。だが、中央のJCD路線が遂に幕を開けたと言っても良いレースで、秋のダート路線の力関係を測る上でも極めて重要な一戦。阪神2000mというかなりトリッキーなコースではあるが、基本的にはペースは上がりにくい。比較的長距離で結果を出している馬が好走している印象だ。今年はやや低調なメンバー構成になってしまっている。期待のかかる3歳勢が全く出ず、古馬も重賞好走級はちらほらと見かけるものの、かなり小粒な印象。これだと適性と勢いが重要になってくるか。ハンデ戦でもあり、色々な要素が交錯しそう。馬券ファンにはたまらない一戦となりそうだ。
一応の中心になりそうなのが阿蘇Sで復活を遂げた形のグレープブランデー。阿蘇Sでは重馬場で平均的なスピード持続戦、しかも軽い馬場状態で11.9 - 11.7 - 11.7 - 11.8 - 12.5のラップ推移。これを番手で追走だが、3角で少し反応で見劣る。それでも4コーナーで何とか徐々に押し上げて先頭に並びかけると、そこからはしっかりとリードを広げての完勝となった。勝負所での反応はやや微妙ではあったが、スピードに乗ってからはしっかりと動けたし、復調の兆しと見ても良いかもしれない。ただ、前走はレースレベル自体は疑問が残るところもあるし、今回は長距離戦で、しかもペースが上がりにくい阪神2000m。動き出しを問われると不安があるし、相手も重賞の割には微妙な所が集まったとはいえ、この馬も勝ち上がった前走のレースレベルは威張れるものではない。しかも今回はハンデ戦ということもあって、JpnI勝ちの実績があるこの馬には昇級で重賞にもかかわらず58kgと、ちょっと考えられないほどの重い斤量を課せられた。まだ良馬場では4歳以降まともにやれていないし、不安の方が大きいだろう。
相手筆頭には昨年鮮やかな勝利で度肝を抜いたヤマニンキングリー。前後半が速く、中弛みがあった昨年で13.1 - 12.8 - 12.1 - 11.7 - 12.8と加速していく流れでも番手から鋭く抜け出して完勝。阪神2000を得意としているキングスエンブレムを千切ったのは正直驚いた。しかしそこからが良くない。JCDはまだ見せ場はあったが、東京大賞典では追走で終わってしまったし、フェブラリーはなだれ込むだけ、前走も番手を確保できたが勝負どころで動けなかった。道中息を入れた方が良いタイプのようで、ダートではペースが上がって良さを見せられなかった。それなら再度重賞勝ちの舞台である阪神2000mに戻って芝スタートで楽に番手につけられる条件で再度狙ってみたいところ。ハンデも57kgは近走の冴えなさが影響して実績の割には悪くない。鞍上が幸四郎に替わるのは何とも言えないが、丹内からならそんなに影響はないだろう。外目を確保できればこの相手、この条件なら十分戦えると思うのだが。
3番手にはナイスミーチュー。ダート路線に替わってから良さが出てきた。前走は小倉1700mのハイペースで12.6 - 13.2 - 12.9 - 12.9のラップで完勝。コーナーで各馬仕掛けていく流れだったが、ここで馬群の中を立ち回るほどに余裕があって、直線では馬群を捌いて突き抜けた。これまでハイペースへの対応が不安材料だったが、それを高いパフォーマンスで一蹴した形。これまで負けパターンは上賀茂Sでは12.5 - 12.3 - 12.0 - 11.9 - 12.5のラップで届かなかった。要所で外を回した分もあったが、外から伸びきれず。吹田特別でも12.9 - 12.6 - 12.3 - 11.9 - 13.0のラップで最内中団。直線序盤で進路を確保しL1でグンと伸びて2着争いに加わり3着を確保。基本的には脚を出し切って良さがあるタイプのようだ。京都の場合はコーナーに入る段階である程度ペースが早く、外を回すことでロスになったと思うし、緩いところで外をじわっと押し上げていく方が良い阪神ならこの馬の良さが出てきそう。一応吹田特別でも内を立ち回っての競馬はできたが、本質的には外からしっかりと脚を出し切れる競馬が望ましい。正直同じ準OP勝ち馬で、こちらの前走はハンデ戦だったとはいえ、グレープブランデーが58kgでこちらが54kgは少々舐められすぎたなという印象だ。勢いからもこちらの方が怖い。
4番手には交流受賞で地味な実績を残しているメイショウタメトモ。交流重賞でも善戦クラスなのだが、何故かシビルウォーの勝つレースでハイペースになることが多く、持久力もそれなりにはあるのだが、シビルウォーやニホンピロアワーズには遠く及ばないというのが正直なところ。ところが、この馬はマーチSで強敵相手に12.2 - 12.0 - 12.5 - 12.4 - 12.7のラップで最内を立ち回ったとはいえ、最後はしぶとく伸びてきての2着。力が足りないとは思わないが、案外序盤はゆったり運んだ方が良いかもしれない。本格化前だったとはいえ3歳時のニホンピロアワーズを破ったレースでも京都1800mで12.5 - 11.7 - 11.8 - 12.6のラップを刻んで逃げ切っている。スローでペースアップしていく方がこの馬の良さが出るのではないか。その点で、2角過ぎに緩みやすい阪神2000mというのはこの馬にとっては面白い条件。ハンデも56kgならニヤリと言ったところか。
インバルコがトップハンデタイの58kgを背負ってどこまでやれるか。前走は道悪で平均的な軽いスピード勝負となったが、最後方からじわじわとは伸びてきたが、という内容。平均ペースだが団子だったし、ポジションの差もなく、緩急の差もなかったので競馬がしやすかったように感じる。どうしても序盤の追走力に不安がある馬なので、距離延長に押し上げるポイントがある阪神2000mというのは条件的にも更にプラスに働くと思われる。阪神2000での実績も実際なかなかのものなので、この辺りがスピード不足でロンスパ戦向きのこの馬にとっては競馬がしやすいのだろう。ただ、トップスピード自体はあまりない馬なので、L1落ち込むような展開になるか、自分から相当積極的に動かない限りは、勝ち切れるまでは難しいような気もする。59kgでもオープンで2着の実績があり、斤量58kg自体はそう気にはならないが、展開面での後押しは欲しいところ。
小倉1700mのKBC賞で勝ち上がってきたグラッツィアも圏内。12.3 - 11.8 - 12.0 - 12.2 - 12.4と5Fのロンスパ戦の形で、中団から最内をロスなく立ち回って直線馬群を割って伸びてきた。かなりうまく乗られたし、ラップ的にも良い形で進められたのは間違いないので、昇級していきなりどうかはまだ疑問が残る。ただ、ハンデ55kgは悪くない印象だ。柳都Sでは12.5 - 12.3 - 12.6 - 12.3 - 12.6と割と平均的な競馬になっていて、ここでスムーズに外から競馬しながらも伸びきれなかった。シリウスSと同じ阪神2000mの梅田Sでは12.8 - 12.5 - 12.3 - 11.4 - 12.7と中弛みからのL2最速戦。外からしっかりと加速をできる状態で追っかけていきながらも最速地点で楽に突き放されて良い脚は見せられなかった。L1で大きく落ち込んでいたので、ジリジリとばてずにはいたが、これを見る限り阪神2000特有の中弛みに対応できそうな感じはなさそう。条件としてはやはりあまり緩まずにトップスピードを問われない展開だろうか。やや狙い辛い印象を受けるが、55kgでどこまで。
古豪マイネルアワグラスも侮れない。ブリリアントSでは12.7 -12.1 - 12.3 - 12.6 - 12.2 - 12.8の少しだけ緩んだ流れで押し上げて粘って4着。勝ち馬との着差は大きかったが、2~3着馬とはそう差はなかった。ペース的にもかなり長く平均的な脚を使えており、この馬の持ち味である持久力をしっかりと見せてくれた。問題は、あまり持久力勝負にはならない阪神2000mという舞台がどうか。トップスピードがないわけではなく、しっかりと順を追って加速してやれれば、東京2100mのスローペースでも結果を出しているように、それなりの脚は使える。ただ、トップスピードよりもL1のバテ差しによりシフトしている馬だと思うので、勝ちきろうと思えばやはり積極的に動いていく必要はあるだろう。ここ数走、相手関係を考えればかなり頑張っていると思うし、この相手で56kgならば十分通用していい能力の持ち主。ただし、積極的な競馬は必要になってきそうで、緩むポイントで壁になりにくい外枠の方が良いだろう。
エーシンジーラインが不気味。ダートではまだこれと言って実績はないが、名古屋大賞典でハナを切っての3着が一応ある。もちろん1.9も離されていて着順ほどの価値はないが。ただ、今回シリウスSは芝スタートというやや特殊な条件。それに緩めやすく、この馬得意のロンスパ戦に持ち込もうと思うなら最も条件的には狙いやすいコースといえそう。ハンデも57kgなら許容範囲だろう。ただ、パフォーマンスという点で、ダートではまだまだ微妙な所もあり、条件が揃っての一発という域は出ないだろう。緩みやすく上がり勝負になりやすいコースではあるが、脚抜きが良くなる馬場でより器用さを活かせる展開になってくれば面白い存在。混戦のここなら紛れて圏内まで残ることも考えておく必要はある。これと言った同型もいないここはチャンス。
http://blog.livedoor.jp/catassan/ 09/29 12:30
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