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【予想】
まず天気だが、週間予報の段階では雨の可能性があったが、それはかなり低くなった。にわか雨程度で降ってもしれているだろう。
展開はコパノリチャードが内から積極的に主張、これをガルボが2番手で突きに行くかなという所。この流れに川田のクラレントが外枠からどういう形で先行していくか。カレンブラックヒルは少し後ろからの競馬を視させしていて、内のスペースはそれなりに出来そうだが、ここは好位を狙うと言っているダイワマッジョーレがじわっと2,3列目を窺いそう。クラレントのポジションが展開的にはポイント。ガルボより先に番手につければコパノと共にペースを落として持ち味を活かせる、逆に番手を確保できず2列目内目を狙うとすればガルボは平均ペース向きなのでそこそこは突く。この辺りだろう。ただガルボも2列目を確保しに行く可能性が高いので、クラレント番手になるかな。そうなると序盤のペースはそれほど上がらない可能性が高いだろう。問題は仕掛け所で、ロンスパ戦となるかどうか。ややスロー~平均ペースでロンスパ戦を想定しておこう。
◎ダークシャドウは追い切りが微妙に見えたことから少し悩んだんだが、やはり人気という面では不当に低いので狙いたい。中団ぐらいからの競馬をしてくれそうだし、安田記念は序盤の早い流れを追走した分L1が甘くなった。これまでからも勝ちに行くと甘くなる馬だし、理想は平均ペースで中団から進めてトップスピードを引き出し切ること。安田記念にしても序盤からしっかり追走して11.4 - 11.7 - 11.5 - 11.3 - 11.7の流れでコーナーで外目を回しながら直線序盤ではいい脚を使えていた。L1甘くなるのは通したところを考えたら仕方ないしペースもそれなりに厳しかった。好位でロスが有りながら時計的に31秒台を出せているのだから十分評価できる。前走の毎日王冠は12.6 - 12.6 - 11.1 - 10.9 - 11.3の流れでギアチェンジ特化戦の競馬。この流れでポジションを下げながら前も向けずにでは苦しいに決まっている。この敗戦は全然気にしなくていいし、大阪杯も内ポケットの2列目で前が壁の中外からエイシンやオルフェーヴルが一気にトップスピードに乗せて出し抜いただけ。力はまだ衰えていないと信じる。トップスピード、ポテンシャルは非凡でハイペースでも無理をしなければ天皇賞秋2着のように問題ない。後は淀の下りからのなだれ込み、ダンス産駒お得意の一発パターンでGI制覇だ。
〇ダイワマッジョーレは本命にしようかどうか悩んだが、内枠ということとポジションを取りに行くということで少し下げた。エンジンのかかりが遅い馬なので、内枠でポジションを取りに行ったときにスローだと前の壁が邪魔になる可能性があるし、スペースないままだといくら淀の外周りと言えども加速していく流れになった時に置かれるリスクは有る。その点で本命は止めておいた。ただ序盤ペースがそれほど上がらない条件で、ポテンシャルを活かせるL1バテ差戦になれば強い馬だし、3~4角内でロスなく立ち回れること自体は歓迎できる。出来れば中団ぐらいで前にスペースを置きつつ、コーナーで詰めて勢いに乗って直線を迎えたいところ。京王杯にしてもダービー卿にしてもああいうペースがある程度流れたレースの方が合う。前走のスワンSなんかでも11.5-11.2-11.1-11.7の流れで前向いてでも4角では置かれてしまうから、この辺だけをきっちりとカバーできる競馬が出来れば通用していい。
【展望】
富士Sを勝ち、今年は主役として堂々とこの舞台に駒を進めたダノンシャーク。これまでは少し足りない所も見せていた馬ではあるのだが、今年に入って一転、非常に力をつけてきているのがヒシヒシとわかる競馬を続けてきていると言える。やはり今年一番驚かされたのが安田記念の3着だろう。このレースは3着ではあったが、内容としては着順以上のものを見せていた。
ハイペースから11.4 - 11.7 - 11.5 - 11.3 - 11.7と更にトップスピードまで問われる競馬となっている。この中で先に抜け出そうとしていたロードカナロアの直後につけてその外から直線鋭く伸びを見せようとしていた。だが、直線半ばでロードカナロアに激しくぶつけられ、L1出は甘くなってしまったが、ロードカナロアやショウナンマイティ相手に強い3着は高く評価できるし、4着以下は問題としていない。この馬はこれまでもペースが上がったりL1の落ち込みで差し込んでくるポテンシャルタイプの馬だとは思っていたのだが、このレースはハイペースを後方で追走し、直線序盤から良い脚を使って伸びてきていたという点に意義がある。ギアチェンジ戦には弱いが、淡々とした流れになるとかなり良さが出てきた、その結果が安田記念での高いパフォーマンスだったと言えるだろう。
その点で前走のマイルチャンピオンシップの前哨戦、富士Sではどういう競馬になるかなと思ってみていたのだが、序盤スローから12.0 - 11.9 - 11.0 - 10.9 - 11.9とL1落とす競馬でポテンシャルもそれなりには問われたが、やはり直線で11.0-10.9と速い脚を2F要求される競馬にはなっている。ここで好位外目から早めに動いて早い段階でトップスピードに乗せると直線最速地点のL2でしっかり伸びて先頭に並びかけていた。L1で突き抜けた辺りはこの馬らしい競馬とはいえるが、前を向いて積極的な競馬でトップスピードに乗せれば、トップスピードの質も高いものを見せたと言える。これはこれまでにない傾向だと個人的には思っていて、このパフォーマンスを見せられればこの馬も本格化したとハッキリ言えるのかなという印象だった。前を向いていたとはいえ、最速地点で動けているという点は非常に大きいだろう。京成杯ではエクセラントカーヴに完敗という形ではあったが、11.2 - 11.5 - 11.5 - 11.9 - 11.7とハイペースからL1落とさないエクセラントカーヴが強かったことも有るが、何よりハンデ差が大きすぎた。この馬は58kgを背負っての競馬になっていることを考えると、3着ゴットフリートにつけた着差が0.4と大きなものであることからも内容として悲観するものではないと言えるだろう。
後はマイルチャンピオンシップの舞台となる京都外1600m。これに関しても今年のマイラーズCで高いパフォーマンスを見せている。このレースは前半ハイペースだが、3角で少し緩む競馬になっていて、11.7 - 11.5 - 12.1 - 11.5 - 11.7というラップ推移。ここで好位で競馬していたが、3~4角で馬群凝縮し、スムーズさを欠く競馬になった。直線でも捌くのに手間取っている間に外の2頭に差されてしまった形。L1見ても11.7とそこまで落としていない流れで、この馬としてはやや不運な競馬になったが、それで3着は立派だろう。ギアチェンジが問われても楽に競馬ができるほどの域には流石に達していないだろうが、ある程度のペースの緩急にも対応できるようになってきているのは大きい。個人的にはこれまで中団ぐらいで競馬をしていたのが、好位でポジションを取れるようになったことでより安定感を増してきたという印象。これまでからも淡々とした競馬での基礎スピード勝負、ポテンシャル勝負には強かった。その上で、今年はトップスピード面でも良さを見せてきている。京都の外周り1600mは、基本的にはそこまで極端なトップスピード勝負にはなりにくい。従ってこの馬本来の適性と言える基礎スピードやポテンシャルと言った部分を発揮しやすい条件と言えるだろう。混戦模様の中、しっかりとポジションを取って積極的な競馬ができるかどうか。脚を出し切る競馬になれば、安田記念の1,2着馬のいないここは力を見せてほしいところだ。
今年の天皇賞春でフェノーメノの2着となったトーセンラー。宝塚記念の完敗、京都大賞典の3着を経て、何とマイルチャンピオンシップへの参戦だから驚きも大きい。これまで経験した中で最も短い距離がきさらぎ賞、新馬戦の1800mだけしかないのだから不安の方が大きいのは当たり前だろう。
まず、個人的にトーセンラーは長距離に転向して良さが出たとみてきている。その理由が基礎スピード面で序盤に脚を使わなくても追走できる距離が長距離にあるとみている。そもそもだが個人的にこの馬を評価していたのは菊花賞のパフォーマンスで、ある程度のペースからオルフェーヴルが捲っていくような競馬になり、12.1 - 12.9 - 12.1 - 11.5 - 11.6 - 12.0と3角から徐々に加速してL3最速戦。この流れの中で、後方からオルフェーヴルの動きに合わせて、その外から押し上げて行って勝負を挑んでいったのがこの馬。外々を回した分、最後は甘くなって馬群を割ってロスなく伸びてきたウインバリアシオンに交わされはしたが、かなり高いパフォーマンスを見せたと言っていい。ポテンシャル勝負ではかなりの強敵と言えるオルフェーヴル、ウインバリアシオン相手にポテンシャル勝負で挑んで3着。ここからも、この馬の良さはこれぐらいの距離で出てきそうと思っていた。
ところが、一転して翌年は2000路線に拘ってしまった。サマー2000を狙っていたのか、というほど夏のローカル2000で使われてきたがなかなか勝ち切れず。賞金もそこそこ積む程度で終わった。小倉記念や七夕賞でもそうだが2000mの平均ペースだと脚を使ってはくるが、結局トップスピードを活かすところがなかなかないので、ジリジリとしか伸びず2着に終わるというパターンが目立っていた。そして今年の京都記念でスロー気味から12.2 - 12.0 - 11.8 - 11.3 - 11.5とトップスピードが問われるこの馬の舞台とも言うべき条件で外から鋭く突き抜けた。中団外からしっかりと最速地点の直線序盤で一気に詰めてきて、L1で先頭に立つとそのまま他馬を寄せ付けずの完勝。序盤ゆったり運ばせ、その流れからのペースアップでしっかり反応し、最速地点でトップスピードを活かす。この流れがこの馬の好走パターンと言っていいはず。続く天皇賞春でも中弛みが少しある流れで12.4 - 12.5 - 12.8 - 12.9 - 11.9 - 11.8 - 12.6と3角でペースアップする流れ。ここでゴールドシップの捲りを待って外に張る武の戦術を後押しするペースアップへの対応力と要所のトップスピードを見せた。L1流石に詰め切れなかったが、この馬らしいトップスピードを活かして早めに先頭列に並びかける競馬となったと言っていい。逆に宝塚記念のようにタフな馬場での平均ペースでは伸びきれなかったし、京都大賞典ではスローからの超ロンスパ戦を大外回しても最後までばてずにポテンシャル面の高さもある程度見せている。その点でもやはり距離があって序盤にゆとりがある方がいいのは間違いないだろうと見ている。
マイルチャンピオンシップに参戦となると、マイルへの適性が当然カギとなるのだが、個人的には1800の内容を見ても全く目途は立てていないと感じる。そもそもきさらぎ賞の鋭いトップスピードも、リキサンマックスが楽に単騎で逃げ、12.5 - 12.0 - 11.3 - 11.8 - 12.3のラップ推移で直線で10馬身以上の差をトーセンラーにつけていた流れ。大逃げのリキサンマックスがこのラップを刻むぐらいだからかなりのスローだ。それでも馬群の中目から鋭く伸びてきっちりリキサンを捕えている。3角から少しずつ前との差を詰めて行き、早い段階でトップスピードに乗せて、オルフェーヴルやウインバリアシオンらより先に乗せきったことが大きい。だが、マイルチャンピオンシップで極端なトップスピード勝負はまずありえない…。といいつつエリ女で超スローのトップスピード勝負になった以上、今や何とも言えないのだが…。それでも基礎スピードが問われるレースになる可能性が非常に高いレース。ただし、ペースが速く淡々とした流れでもそれなりの結果は出していて、小倉記念、セントライト記念の2着がある。どちらも時計勝負になっているが、どちらも高速馬場でL1があまり落ちていないレースという特徴がある。馬場次第だが、再び高速状態になり、ペースが上がり切らずこの馬の良さであるトップスピードを引きだせる競馬になるようならマイルでもチャンスは有るかもしれない。その点からもできれば内枠で序盤無理せず良いポジションを確保したいところだ。
毎日王冠3着も、1,2着馬が天皇賞秋で活躍していたことから、クラレントの存在も大きくなってきた。エプソムCでは後の天皇賞馬ジャスタウェイをしっかり撃破、東京新聞杯でも好位からしっかり抜け出す競馬で勝利。この馬の良さを前面に出してきている今年は非常に安定していると言える。この馬の最大の武器は、
要所でのギアチェンジ能力にあると言える。例えば前走の毎日王冠ではハナを切ってスローに落とし込んで、12.6 - 11.1 - 10.9 - 11.3の流れで一気に出し抜く競馬で粘り込を計った。ただし、このレースではギアチェンジ型が非常に多く、勝ち切ったエイシンフラッシュや接戦で何とか4着に競り落としたレッドスパーダ辺りも要所ですっと動けるタイプ。2着のジャスタウェイはその辺は甘いもののこのレースでは早い段階で前を向いて押し上げてきていた。だから目立たないものの、中団の馬のほとんどはこの直線序盤で差を詰めることが出来なかった。この馬の良さはポジションをある程度取れる上で、ペースアップの流れにしっかり反応できるギアチェンジ能力の高さにあると言えるだろう。もっとわかりやすいのが東京新聞杯勝ち。ややスローの流れから11.8 - 11.2 - 11.0 - 11.3と後半3F全て11秒台前半の流れ。3列目のポケットで前を向けないまま直線なのだが、スペースを見つけると早い段階で一気に2列目まで押し上げてくる。そのままトップスピードを活かして抜け出し、最後は外からダイワマッジョーレに少し詰められるも封じ切っての勝利。ポケットで競馬して前が壁から加速する流れでも置かれるどころか2列目まで一気にポジションを上げられている。かなり器用な馬であるという認識でいいだろう。
マイラーズCの敗因はコーナーでの緩み、直線での進路確保のミスが響いたと言える。序盤からハイペース気味から11.5 - 12.1 - 11.5 - 11.7の流れ。道中緩んで終始最内で競馬していたこの馬としてはやはり苦しい流れではあり、直線序盤で手応えが良かったのに進路を確実にできなかったところが致命的だった。この馬の良さであるギアチェンジ面の良さは緩んでからの加速の流れとなる直線序盤で手応えが良かったことからも見せていたと言えるだろう。ただし、進路確保できていたL1で伸びあぐねていた点は気になるところだ。普通の馬なら加速に手間取ったことは致命的なのだが、この馬の場合はギアチェンジとトップスピードはかなり高い馬なので、進路さえ確保でき、余力があれば伸びてくるはずなのだが、やはりハイペースで序盤追走せざるを得なかった分が響いたのかなという印象だ。
これまでの傾向からも阪神Cの内容や、キャピタルSの内容、また勝ってはいるが富士Sのレースレベル、パフォーマンスを考えると、淡々とした基礎スピード勝負では甘くなりがちというのは確かだろう。ある程度のペースまでなら対応できるのは確かで、その点で大きなマイナスとまでは言えないが、厳しい流れで緩急の無い競馬、消耗戦となると持ち味のギアチェンジを活かすタイミングが無くなる。全馬が脚を出し切ってポテンシャルが問われる競馬だと相対的に良さが出にくい。その点で3角、ちょうどL4に加速装置となる下り坂がある京都の外周り1600mとなるとどうだろうか、という面はある。マイラーズCは悪くはないが、コーナーで少し緩んでいて結果的にはL1が11.7とそこまで落ち込まない流れだったし、最内を終始追走でロスの少ない競馬が出来たのと、4角で少し緩んだ分、要所で器用さを見せられた。淡々とした流れになった時にこの相手でどこまでやれるかが焦点になるとみている。ただ、馬場差も読めないし、先週のエリザベス女王杯のようなことも有り得る。ああいった器用さが要求される競馬になれば、マイルでの立ち回りの器用さ、ギアチェンジという点では群を抜いている。完全な時計勝負にならなければチャンスは十分だ。器用さがあり、道中ロスなく運びたいという点からも、できれば内枠が良い。
続きは↓ 11/17 14:20
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