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・「ダービー馬祭り」だが、ダービー馬には不吉なデータ
今年のジャパンCは、ダービー馬4頭の出走が話題となっているが、ここ10年の傾向を見てみると悲観的にならざるを得ないデータが存在する。
下記はここ10年の勝馬である。
2020年 アーモンドアイ 牝馬三冠など
2019年 スワーヴリチャード 大阪杯
2018年 アーモンドアイ 牝馬三冠など
2017年 シュヴァルグラン 天皇賞(春)2着など
2016年 キタサンブラック 菊花賞など
2015年 ショウナンパンドラ 秋華賞
2014年 エピファネイア 菊花賞
2013年 ジェンティルドンナ 牝馬三冠など
2012年 ジェンティルドンナ 牝馬三冠など
2011年 ブエナビスタ オークスなど
面白い事に、同じ府中2400㍍で行なわれるダービーの勝馬が1頭も存在していない。
しかしながら、オークス馬は5勝している。
牡馬クラッシック勝馬で相性が良いのは、むしろ菊花賞馬で2勝している。
チャンピオンディスタンスで行なわれるレースではあるが、ダービーは「その時点でのスピードの完成度」が問われる特殊なレース。
それ故に、このような現象が起きているもの考えられる。
牡馬の勝馬の特徴としては、全てが3歳の秋以降に本格的な活躍を見せたタイプ。
スピードではなく、体力が本格化してホンマ物の強さを見せるような晩成型タイプとの相性が良い。
ダービ馬ではあるが、コントレイルの評価は難しい。
この馬の場合、スピードだけでなく、ダービー時点での総合力の完成度が極めて高かったのだ。
この馬はダービー馬ではあるが、同時に菊花賞馬でもある。
この馬の不安点は物理的な適性云々ではなく、むしろ疲労面と競走意欲だ。
天皇賞(秋)の3着馬グランアレグリアは、中2週でマイルCSを制し有終の美を飾ったが、スローになり疲労の影響を受けにかった事が大きい。
コントレイルの場合、今回「距離延長」と更に体力負荷が掛かる「楽→苦」ステップとなる為に、疲労の影響が出やすくなると考える。
更に、今年は1勝も出来ていない事も問題である。
3歳時に比べて、明らかにパフォーマンスが下がっている。
能力が絶対的に高いので、淡々と走っているだけでも馬券に絡みはするが、気力が欠如しているのでそれ以上の走りを見せる事が出来ない…というのが現状なのだろう。
・馬場読み
前週に行われた南武特別は、2勝クラスの2400㍍のレース。
前半1000㍍が62.0ー後半59.4の後傾ラップで、後1マイルは1.36.5と掛かっており、中長距離向けの差し馬でも十分に届く流れとなっていた。
勝ち時計は2.26.0と遅く、スローの流れだった割には上がりも35.5と平凡だった。
ポジション争いが落ち着く3ハロン目以降12.5前後のラップが4ハロンほど続いた。
その後じんわりとペースが上がり、ラスト3ハロンは11.6→11.6→12.3。
最速ラップが11秒台後半で、特出したスピードも求められていない内容。
入着馬の血統を見てみると…
1着 レイオブウォーター
父ディープインパクト ✕ 母ドイツ血統馬
2着 トゥルーヴィル
父ディープインパクト ✕ 母フランス血統馬
3着 ワンデイモア
父ドゥラメンテ ✕ 母メジロ血統馬
…と、ステイヤー色の強い血統を持つ馬が独占している。
逆に、1番人気を裏切り5着に敗れたサトノフォーチュンは…
5着 サトノフォーチュン
父ディープインパクト ✕ 母ヴァイスリージェント系
と、クラッシック王道配合のスピードタイプだ。
2角9番手→3角7番手と3角手前から勢い良く上がったが終いはスタミナ切れを起こした形。
府中の2400㍍も、体力ロスの厳しいジリ貧脚質向きの馬場だという事が理解できる。
近年の秋開催を振り返ると、総じて時計の掛かる競馬が多くなっている。
あまりに馬場の高速化が進んでしまったが為に、ここ最近は海外の馬が全くJCに参戦してくれなくなってしまった。
そこで策を講じたのだろう。
その甲斐あって、今年は3頭ではあるが海外の馬が参戦してくれる。
このジリ貧向け馬場は、"JRA側が意図したもの" と私は考えている。
南武特別以外のレースでは、先行馬か?、内枠に入った差し馬か?…といった感じ。
連続開催で、かなり路盤が硬くなって来た印象。
「差し、捲り→先行」が期待出来る馬、前走凡走して疲労ストレスのない馬で且つ内枠に入った差し馬に注目
・結論
◎サンレイポケット
ここ2戦、絶好調を窺わせる挙動を見せている事を評価。
父ジャングルポケット、母父アメリカンパワータイプ、母母父サンデーサイレンス、母母母アドマイヤラピス。
母母母アドマイヤラピスは、牝馬でありながらステイヤーズS2着に入った超どステイヤー。
父やボトムから、やはりジリ貧タイプなのだが、それにしてはここ2走が走り過ぎている感が強い。
高速決着となった毎日王冠は、0.4秒差の6着。
天皇賞(秋)は捲り気味の競馬で、0.5秒差の4着と3強に迫った。
前向きさだけでなく、レース終盤の集中力がとにかく際立っており、非常に良いリズムを感じる。
中2週(軽い凡走)→中3週(軽い凡走)と押せ押せだが、タフで集中力の高いタイプなら、逆に集中力を維持しやすいローテーションでもある。
G1レース2戦目と、まだまだチャンピオン戦に対するフレッシュさがある段階。
物理的にもこの馬に合う方向へシフトしてくるはずなので、更なるパフォーマンスアップがあっても良い。
今回は「2000→2400㍍」の距離延長。
ペース鈍化ステップを利して、スタートから5〜6番手あたりに付ける競馬なら更に面白くなりそうだ。
ちょっと決め手不足なので、ワイド軸や3連複軸がベスト。
○シャフリヤール
4頭のダービー馬の中で、最も馬券圏内入りの期待値が高そうな馬がこの馬。
他3頭は古馬G1出走が常連となってしまっており、レースでフレッシュさを見出す事が出来ないのに対し、こちらは古馬G1初挑戦。
高いモチベーションが期待出来るタイミング。
前走は苦手条件が重なり凡走、ストレス疲労が全く無い状態も良いだろう。
今回は多頭数の格上げ戦、且つ内枠という精神力が生かせるステップとなる。
前走は今回以上に物理条件も悪かったので、ステップアップは必至だろう。
しっかりと、差す競馬に徹して欲しい。
▲グランドグローリー
これまで、2000㍍の競馬を中心に使われていた事を評価。
近年外国馬が全く奮わないのは、絶対的に追走スピードが足りていない事が原因。
レース序盤で既に流れに付いていけず、そのままレースが終わる。
日本競馬2400㍍とヨーロッパの2400㍍では、問われるスピードに雲泥の差がある。
それなのに、海外勢は2400㍍の適性馬ばかり出走させてくる。
だから、毎回スピード不足で負ける。
ジャパンCで勝ちたいのであれば、それこそマイル〜2000㍍の適性を持った馬でないとスピード的に厳しいだろう。
ちなみに、ここ最近の日本馬のヨーロッパG1制覇と言えば…
エイシンヒカリ イスパーン賞 1800㍍
ディアドラ ナッツソーS 1980㍍
…といった具合で、2000㍍以下のレースでの勝鞍だったりする。
日本の中距離馬と互角に渡り合いたいのであれば、2000㍍以下のレースに対する適応力が必要である事を裏付けるものでもある。
海外馬の場合、同距離ステップだと実質ペース激化。
他の2頭に比べ、この馬の方がそれほどペースのギャップを感じる事がないはずだ。
むしろ、距離に対するフレッシュさというメリットが出てくる。
今回は、生涯初の日本競馬参戦でもあり、高いモチベーションでの競馬に期待したい。
△ユーバーレーベン
「2000→2400㍍」距離延長、「小回り→広いコース」と伸び伸び走れる環境へシフト。
距離延長を利して、中段より前目で競馬出来るようなら。
△キセキ
久しぶりに逃げるようなら、フレッシュさも出て面白い。
✕ブルーム
フォア賞から押せ押せのローテーション。
前走ブリーダーズCターフ2着好走後の長距離空輸。
疲労面でかなり辛そう。
✕ジャパン
スピードが足りなそうな馬が致命的な枠に入り、レース序盤から余計に距離を走らされる訳で… 11/28 12:13
夏影 予想歴38年 回収率% | 予想のベースになっているのは、今井雅宏氏考案の『Mの法則』。 総拍手獲得数:1260 | |
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