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「雨予報でも敢えて高速馬場予想」
土日の京都は雨の予報となっているが、敢えて高速馬場で考えてみる事にする。
土曜夕方から弱雨が降り始め、日曜は朝の午前中のうちに止むとの事。15㍉弱程度の量という事で、稍重までの悪化だろうと見込む。
新装開催直後で路盤下層が締まっておらず、水捌けが良い事。プラス芝の成長期で網の目状にしっかり根を張って路盤をカバーしている為、そう安々と馬場が傷まないはと考える。
近年では、2016年の阪神1800㍍重馬場で行われたローズSで、勝ち時計1.46.7、勝馬シンハライトの上がりが33.7という高速差し決着となっている。
水捌けが良い状態で、芝の成長期が重なると、雨が降ってもさほど影響が出ないものだ。
まあ、あくまでもそういう想定をしているという話なので、土曜競馬の内容を見て想定とズレているようなら、レース当日に改めて予想を手直ししたい。
「タイトルホルダーは何故有馬記念で2度も凡走したのか?」
タイトルホルダーは、非根幹距離G1である有馬記念を2年連続で凡走している。
本来得意なはずの距離体系でありながら、惜しい競馬でなく、全く良いところ無しの競馬で終わっている。
実は非根幹距離だからといって、必ず非主流適性が問われる訳ではない。
ここ2年の勝馬は、共に「天皇賞秋」の勝馬が勝利している。特にイクイノックスに関しては、末脚のキレに定評のある馬。そんな馬が自慢の末脚を生かして勝つようなレースでタイトルホルダーが勝てる訳はない。
昨年このレースを先行し、スタミナ勝負で挑んで凡走した3頭、タイトルホルダー、ジャスティンパレス、ディープボンドは、スピードが問われる長距離戦が苦手である事を露呈したという訳である。
逆に、このレースで最速上がりで2着に入ったボルドグフーシュは、小回り2000㍍では厳しいにしても、府中2000㍍G1で掲示板に馬番を載せるくらいの事か出来るのでは?とも考える。
「何ゆえステゴ産駒はこのレースに強いのか?」
ヒシミラクル、オルフェーヴル、ゴールドシップ…この3頭の共通点は、菊花賞を捲って勝った事と、ディクタスの血を保有している事である。
ディクタスは、ジャックルマロワ賞(ドーヴィル1600㍍)のフランスのマイラー。ディクタスと特徴はというと、他のステイヤー血統と比較して「スピード面で勝っている事」と、「スピードの持続力に優れているところ」である。
「捲り」は、ただ単にスタミナさえあれば出来るという芸当ではない。「他馬とのスピード差」が無ければなかなか出来ないものだ。
ヒシミラクルの父であり、ディクタス産駒でもあるサッカーボーイはマイルCSを圧勝したスピード馬だった。
何ゆえサッカーボーイはスピード馬だったかと言えば、当時はステイヤー血統が主流だったが故に、他のステイヤー血統のよりもスピード面で勝っていたから他ならない。
だが、スピード面が進化した現在の日本では、ディクタスのスピードは『過去のスピード』であり、現代競馬では到底通用しない代物となってしまった。
とは言うものの、天皇賞(春)はステイヤーが集まるレース。ステイヤー相手なら今もなおスピード面でのアドバンテージが残されている。だから、ディクタスの血を保有するステイゴールド産駒はこのレースで活躍出来るのである。
フランス競馬は、イギリス競馬と比較するとスピード面が問われる傾向にあり、そのギャップはかなり大きい。それ故に、良馬場で開催される凱旋門賞の勝馬は、フランス調教馬の独占状態となっている。
ナカヤマフェスタやオルフェーヴルが凱旋門賞で惜しい競馬を見せる事が出来たのは、ひとえにディクタスの血の影響によるものだ。
そしてステゴ産駒が活躍するという事、それ則ち、今や過去のスピードとなった「フランス質のスピード」が問われているという事でもある。
「ステイヤーは2種類、箱根駅伝に例えるなら…」
ステイヤーは大まかに2種類に分ける事が出来る。箱根駅伝の1区を走るランナーと5区を走るランナーだ。1区は日本橋のスタート地点からひたすら平坦なコースを走る為に、スピードと持続力が問われる。5区はうねうねと曲がりくねった箱根の山を上がる為、パワーを必要とし、体力消費も激しい。
1区に相当するのは、高速京都の長距離戦であり、フランス競馬である。5区に相当するのは、阪神内回りの長距離戦であり、イギリス競馬なのである。
箱根駅伝では、ランナーの個性に合わせて走る区間を振り分ける事は出来るが、天皇賞春ではそうはいかない。JRAの都合で京都開催になったり、阪神開催になったりする。決して、スピードがあるから京都を選ぶだとか、パワーがあるから阪神を選ぶといった事が出来ない。
そもそも、競馬というのは距離別と芝・ダートの大雑把な区別のみで路線をが確立されている。だからこそ、攻略法なるものか存在するのである。
「トライアル勝ちからの好走は、やはりフランス血統馬」
阪神大賞典勝馬の天皇賞春成績
2020年 ユーキャンスマイル → 4着
2019年 シャケトラ → 引退
2019年 レインボーライン → 1着
2017年 サトノダイヤモンド → 3着
2016年 シュヴァルグラン → 2着
2015年 ゴールドシップ → 1着
2014年 ゴールドシップ → 7着
2013年 ゴールドシップ → 5着
2012年 ギュスターヴクライ → 5着
2011年 ナムラクレセント → 3着
レインボーライン ステゴ産駒
サトノダイヤモンド ダービー2着、皐月賞3着
シュヴァルグラン ハーツクライ産駒
ナムラクレセント 母母父ダンディールート(仏血統)
日経賞勝馬の天皇賞春成績
2020年 ミッキースワロー → 3着
2019年 メイショウテッコン → 11着
2018年 ガンコ → 14着
2017年 シャケトラ → 9着
2016年 ゴールドアクター → 12着
2015年 アドマイヤデウス → 4着
2014年 ウインバリアシオン → 2着
2013年 フェノーメノ → 1着
2012年 ネコパンチ → 休養
2011年 トゥザグローリー → 13着
ミッキースワロー 母父父トニービン
ウインバリアシオン ハーツクライ産駒
フェノーメノ ステゴ産駒
勝馬で天皇賞でも馬券に絡んだ馬は、フランス血統保有馬ばかり。
唯一の例外はサトノダイヤモンドだが、最たる主流色であるダービーの2着馬でスピードの裏付けがある馬だった。
トライアルは小回りコースで行われる為、スピードが乗り切らないレースになりやすい。結果パワー&スタミナ…つまりが、イギリス型の競馬になりやすい。それ故に、結果がなかなか本番に直結しにくい。
「出走馬分析」
下記は、出走馬名、適正をで「○」、「△」、「✕」で表示、括弧内にその馬の特徴に強く影響を与えている血、その後ろに適性ある競馬スタイルを表示してみた。
・アイアンバローズ △
(ヌレイエフ、ロベルト)イギリス型
・アスクビクターモア ○
(ディープインパクト、レインボウクエスト)フランス型
・アフリカンゴールド △
(ディクタス、ゴーンウエスト)フランス型+性格的マイナス面あり
・エンドロール ○
(チチカステナンゴ)フランス型
・サンレイポケット ○
(トニービン)フランス型
・シルヴァーソニック △
(ディクタス、トニービン)フランス型+後天的マイナス要因あり
・ジャスティンパレス △
(ヌレイエフ、ロベルト)イギリス型
・タイトルホルダー △
(サドラーズウェルズ、ミルリーフ)イギリス型
・ディープボンド △
(ダマスカス)イギリス型
・ディープモンスター △
(チーフズクラウン、デキシーランドバンド)イギリス型
・ディアスティマ △
(マキアヴェリアン)イギリス型
・ファルコニア △
(パントレセレブル)フランス型+後天的マイナス要因あり
・ヒュミドール ○
(ディクタス、チチカステナンゴ、トニービン)フランス型
・ボルドグフーシュ ○
(ウッドマン、アルナスル)フランス型
・ブレークアップ △
(モンズーン)ドイツ型
・マテンロウレオ ○
(トニービン)フランス型
・メロディーレーン ✕
(サドラーズウェルズ、ミルリーフ)イギリス型+体力的不利あり
アフリカンゴールドの「性格的マイナス面」とは、精神的脆さがありマイペースが必須条件で、且つ鮮度要求が高い事。
「後天的マイナス要因」は、超長距離レースの使い過ぎにより、スピード競馬に対する適応力を失った事。
メロディーレーンの「体力的不利」は、馬体の小さい故の非力さ、牝馬故のスタミナ的不利。
netkeibaの予想オッズでは、1番人気タイトルホルダー、2番人気ジャスティンパレスという事になっている。この2頭が人気を分け合うようなら、かなり波乱が期待出来ると考える。
逆に菊花賞馬アスクビクターモアが、日経賞の凡走で人気を落とすのであれば、これはこれで美味しい。
日経賞は不良馬場で開催されており、パワーとスタミナのみが問われたレース。イギリスやドイツ、オセアニア血統が強みを発揮したレース質であり、フランス質や主流室の馬には厳しい指向性があった。
「まとめ」
狙いたいポイントは、主流血統で主流的なレースで好走した馬、フランス競馬にゆかりのある血統。特に凱旋門賞馬の血を持つ産駒に注目してみたい。
2012年に、14番人気を逃げ切ったビートブラックは、トニービンとレインボウクエスト、2011年に、7番人気で激走したヒルノダムールはラムタラ。
連覇したフィエールマンは、母がフランス産。
レインボーライン、ゴールドシップ、連覇したフェノーメノはステイゴールド産駒。
キタサンブラック以外は、凱旋門賞馬もしくはフランス血統の血を保有した馬なのである。
「注目馬」(最終結論は後日)
◎アスクビクターモア
(血統)
父ディープインパクト
母父レインボウクエスト
(オプション)
凡走後叩き2戦目、「3000→2500→3200㍍」バウンド距離延長
(解説)
父はディープインパクト、繰り上がり優勝ではあるが母父は凱旋門賞馬だ。ダービー、皐月賞の内容からスピード要素も十分。
菊花賞馬だがタイトルホルダーとは、水と油的な関係。
タイトルホルダーはパワーとスタミナが問われてなんぼ?の馬で、ダービーのように末脚の切れが問われる環境になると脆さを見せる。
対し、こちらは末脚の伸びが問われる条件に対し融通性を示す。
ただし、王道配合のようなトップスピードの高さは無いので、やはり長距離がベストという事になる。
タイトルホルダーが圧勝するようなレースは適鞍ではないので、前走の凡走で悲観的にならない方が良い。
○マテンロウレオ
(血統)
父ハーツクライ
母父ブライアンズタイム
(オプション)
「2000→3200㍍」距離延長、多頭数、生涯初の超長距離レース。
(解説)
父母父は凱旋門賞馬。
心身の充実度著しいタイミング。
極度の距離延長は、ハーツ産駒の得意なステップ。
前走根幹距離G1でそれなりの結果を出した事はスピード競馬にも対応出来る状態だという事。
特に評価したいのは、中京や阪神の外回りの重賞で連対し、中山内回りでコケている事。特に京都記念の勝馬はダービー馬ドウデュース。主流の最たる馬が圧勝するようなレースで好走している事からも、主流レースに対する融通性が高いステイヤーと考えている。
長距離戦での末脚の伸びが問われるレースで高い適性を見せるタイプではなかろうか?
本命にしたがったが、枠順がちょっと外過ぎた。勢いある為、本命とほぼ同評価で。
▲ボルドグフーシュ
(血統)
父スクリーンヒーロー
母父レイマン
(オプション)
凡走後叩き2戦目、「先行→差し」位置取りショック、「小回り→広いコース」、外枠
(解説)
母はフランス産。
前走は前哨戦の内容としては、位置取りショックの為の布石を打ってくるあたり、流石は川田といた感じ。
不器用なタイプなので、京都外回りはベストと考える。
△サンレイポケット
(血統)
父ジャングルポケット
母父ワイルドラッシュ
(オプション)
多頭数、「G2→G1」格上げ
(解説)
父父は凱旋門賞馬。
コントレイルやエフフォーリア相手に根幹距離G1で見せ場十分だった事からも、更にスピードが問われる環境でパフォーマンスアップがあって良いはず。
▽ヒュミドール
✕タイトルホルダー
パワー色強く、小回りの非根幹距離向き。
ダービーといい、ここ2年の有馬記念といい、終いのスピードが問われてパフォーマンスを落とすようでは。
✕ジャスティンパレス
父ディープインパクトではなく母の影響が強い馬で、半兄アイアンバローズ同様パワー色が強いタイプ。
ダービーといい、有馬記念といい、スピードが問われてパフォーマンスを落とすあたり、そのまんまタイトルホルダーだという事。
タイトルホルダーを消えるなら、この馬も当然消しとな
逆にタイトルが「買い」だと言うなら、この馬も買いである。
ホープフルS2着も、レース質に問題あり。
勝馬キラーアビリティは、体力面での完成度を武器に力で捻じ伏せるレースをしており、スピードを武器に勝った訳ではない。そのキラーアビリティは、皐月賞13着、ダービー6着、大阪杯13着と主流レースでは見せ場もなく終わっている。そんな事からも、ホープフルSで問われていたのはスピードでは無かった事が理解出来る。
✕ディープボンド
阪神内回りで行われた天皇賞春は昨年、一昨年と供に2着。阪神大賞典は2連覇。
対し、京都で行われた菊花賞は4着とやはりパフォーマンスが落ちる。
スピードの伸びや持続力ではなく、パワーとスタミナ面に秀たタイプという事。 04/29 06:28
夏影 予想歴40年 回収率% | 予想のベースになっているのは、今井雅宏氏考案の『Mの法則』。 総拍手獲得数:1260 | |
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