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昨年の皐月賞は道悪開催だったが、今年は好天に恵まれての開催となりそうで、キャッチフレーズ通りの『最も速い馬』が勝つレースが期待出来そうだ。
人気は、レガレイラ、ジャンタルマンタル、シンエンペラーといったG1連対馬となりそう。シンエンペラーは同型脚質多いメンバー構成で、物理的に不利な条件だけでなく、同路線重賞4戦目でかなり鮮度が薄れた状態。
レガレイラの前走は、体力ゴリ押しタイプが揃ったメンバー構成だった為に、牝馬的なキレを生かしやすい環境だった事は確か。しかし、今回も意外と似たようなメンバー構成となりそうで、ホープフルSの再現があっても良さそう。ただ、重賞どころか、リステッドですら勝てなかった馬が1番人気1着だった訳で、出走メンバーのレベルの高さには、いささか疑問が残るのも確かである。
そこで注目しているのは、朝日杯組である。
今年の皐月賞が良馬場開催なら、道中の「追走力」と「タフさ」が同時に問われる。その両方を同時にクリア出来なければいけないのは、朝日杯も同様なのである。
中距離適性の高い馬の集まりの中で競馬をするに当り、マイルでG1で通用するスピードは、大きなアドバンテージとなる。
近年良馬場で行われた皐月賞の傾向は次の通り。
2022年 前半60.2
1着 ジオグリフ 5→6→3
2着 イクイノックス 5→4→3
3着 ドウデュース 15→16→14
2019年 前半59.1
1着 サートゥルナーリア 7→7→7
2着 ヴェロックス 5→4→4
3着 ダノンキングリー 3→4→5
2017年 前半59.0
1着 アルアイン 4→5→5
2着 ペルシアンナイト 15→5→5
3着 ダンビュライト 6→5→3
好走馬の大半は、3角7番手以内に付けており、道中の追走力の重要性をしっかり示している。
良馬場で行われた2022年は1着と3着が朝日杯の出走馬で、3着馬ドウデュースはその勝馬。2017年の1着と2着馬はシンザン記念を使い、2着馬ペルシアンナイトは更にアーリントンCを勝利、3着馬タンビュライトは朝日杯に出走。
2.00.0を切るスピード決着ではマイル重賞の経験が有利に働きやすい傾向がはっきりと出ている。
血統面では、穴なら「キングカメハメハ」の血を持った馬だろう。
ジオグリフ、サートゥルナーリア、ダンビュライト、ドゥラメンテ…人気以上の活躍を見せる傾向を見せている。
◎ジャンタルマンタル
(血統)
父パレスマリス
母父ウィルバーン
(オプション)
多頭数内枠、「G3→G1」格上げ、「1800→2000㍍」距離延長。
父系はスマートストライク系カーリン→パレスマリスと続いたアメリカンクラッシック向きのタフなタイプ。スピード指向が高い母系でスピード面の強化を狙った配合だと思われる。
アメリカ的な前向きさを有しながらも、意外なほどに気の良さも持ち合わせており、矯めが利くタイプ。距離延長にしっかり対応出来るだろう。正直「ダービーまではこの馬かな?」とまで考えている。
朝日杯は、2ハロン目が10.9、3ハロン目が10.7と10秒台ラップが2ハロン続く厳しい流れ、3角で12.0とガクっと急ブレーキが掛かり、更に直線で再加速が求められた。体力消耗度が激しく、真の地力が求められるハイレベルな一戦だった。
スタートからの激流が続く最中、道中は中段よりも前目のポジションで流れに乗る。おそらく、今回皐月賞に出走する他の馬には、これほどのスピードで追走出来る馬はいないはずだ。
4角ではゴチャつく内を上手く捌きながら進出し、更に最後は突き抜けた。スピード、地力、集中力、闘志…どれを取ってもケチの付けようが無いレース内容で、おそらく現時点ではこの馬が世代最強であろうと考える。
更に始末が悪いのは、この馬は、「気の良さ」もそれなりに兼ね備えており、矯めが利くところである。共同通信杯では前半62.7の超どスロー。朝日杯から4.3秒のペースダウンにも関わらず、この馬は上がり2位の32.6を駆使して対応してしまっている。おそらくは、距離延長にも適応出来るはずで、400㍍距離が延びるダービーでも高いパフォーマンスを披露してくれるであろう。
本来闘う意思の強い激戦向きタイプは、このようなペースダウンで矯めを作る事を苦手とするのが普通で、エコロヴァイツのように朝日杯2着→共同通信杯5着とパフォーマンスを落とすのが普通の反応だったりするが、この馬はペース緩化にも適応できる為、ほとんどパフォーマンスを崩す事がない。今後は常に人気を背負う事になるだろうから、5番人気の穴で買えるタイミングは今回が最初で最後だと考えてほしい。
○エコロヴァイツ
(血統)
父キタサンブラック
母父キングカメハメハ
(オプション)
多頭数内枠、「G3→G1」格上げ。
デビューから2戦、圧勝が続いたように闘志が前面に出たタイプ。
朝日杯2着馬も、共同通信杯でパフォーマンスを落とし美味しい穴馬となっている。
そもそも高い追走力が追求される皐月賞と、超どスローで開催された今年の共同通信杯とでは全く逆の適性が問われる。だからこそ、今回共同通信杯でパフォーマンスを落とした同馬やジャンタルを評価しているのである。むしろどスロー競馬により高い適性を示しているようでは、追走適性に問題を抱える事になる。むしろ、このスローでポジションをしっかり上げる事が出来た事をしっかりと評価すべき。この前向きさとマイル重賞経験こそが今回好走のキーとなっている。
▲ダノンデサイル
(血統)
父エピファネイア
母父コングラッツ
(オプション)
多頭数、「G3→G1」格上げ、生涯初G1。
✕ジャスティンミラノ
速い流れの競馬の経験なく、追走力に疑問。
ラスト3ハロン11.4→10.9→10.8の終いの加速ラップを評価する評論家をテレビで見掛けたが、スタミナを削りながらの追走力が求められる皐月賞では無意味な芸当。激戦ではそんな脚を使う余力を与えられずもなく。
一般的なキズナ産駒とはかなりかけ離れたタイプで、おそらく母の影響が強いのだろう。
中長距離体系のトライアル質のレースに向きそうなタイプ。神戸新聞杯あたりで狙いたい。
✕レガレイラ
ホープフルSにしても、シンエンペラーが差しに回っていたら勝てていたかどうかは疑問といった内容。逆に先行して体力勝負に出てくれたからこそ勝ち切れた。3着サンライズジパングはしぶとさだけのジリ貧タイプで、牝馬特有のスピードとキレがアドバンテージとなった。
しかし今回はというと、この馬以上にスピードが有りキレる馬の存在がいる訳で、この馬のアドバンテージは全く無くなった。
そもそも、これまで、1600㍍以下の競馬をして来なかったのは、「マイルではスピード不足」という事なのだろう。だからこそ牡馬の中距離路線を歩ませたのであろうと考える。
ちょっとレース間隔は短くなるが、今後はダービーではなく、オークスに路線を変更した方が良い。体力上位の牡馬とやり合った経験が、間違いなくオークスで生きるし、正直今年の牝馬のレベルは低い。
ウォッカのようにダービーを勝った牝馬の存在はあるが、ウォッカですらマイルG1である阪神JFを勝った上で参戦している。
スピードに関しては、世代トップレベルだった事を証明した上で、それを武器にダービーに参戦したのである。
馬券
単勝 8,3,16
ワイド 8,3,16ボックス
3連複 3-8-16 04/14 01:56
夏影 予想歴41年 回収率% | 予想のベースになっているのは、今井雅宏氏考案の『Mの法則』。 総拍手獲得数:1260 | |
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