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下記は近年の勝馬とその戦歴、年明けからの出走数、前走である。
2023年 シャンパンカラー
4戦2勝(2,0,1,1)
年明け2戦
NZT3着
2022年 ダノンスコーピオン
5戦3勝(3,0,1,1)
年明け2戦
アーリントンC1着
2021年 シュネルマイスター
3戦2勝(2,1,0,0)
年明け1戦
弥生賞2着
2020年 ラウダシオン
6戦3勝(3,1,1,1)
年明け2戦
ファルコンS2着
2019年 アドマイヤマーズ
6戦4勝(4,1,0,1)
年明け2戦
皐月賞
中距離を走る牡馬クラッシックとは違い、マイル路線はレース1走毎の体力消耗が低い。ぶっつけ本番や、休養明けを一叩きではなく、年明けを2戦以上使って、きっちり臨戦モードに入っている事が必須条件となっている。
更には、フレッシュさや、エリート性とも無関係なレースで、キャリアの多さは決してネックになっていない。逆にキャリア豊富な泥臭いタイプの勝馬は意外と多いのも、このレースの特徴となっている。
2013年 マイネルホウオウ
9戦3勝(3,2,1,3)
年明け3戦
NZT7着
2008年 ディープスカイ
9戦2勝(2,4,1,2)
年明け5戦
毎日杯1着
2009年 ジョーカプチーノ
8戦3勝(3,2,1,2)
年明け5戦
NZT3着
注目すべき点は…
・しっかり臨戦モードにな入っている事が望ましい。今年2戦以上を消化し、且つここ3戦以内に好走歴がある事が条件だ。
・激しい流れの中での攻防となる為、G1の出走経験や1200㍍のレースの経験はプラス。
・マイラーやスプリンターがメインのメンバー構成となる為、2000㍍の経験は、体力面でのアドバンテージとなりやすい。
キャリアの多い馬を狙う際には、血統面にも注意したい。基本アメリカスピード色の強い血統は、鮮度を求め、バイオリズムのピークも短い。
叩き良化型と言えば、古くから日本で大事にされて来た牝系(マイネルホウオウ型)か、ヨーロッパ色の強いタイプ(ジョーカプチーノ、ディープスカイ型)が良いだろう。
◎アレンジャー
(血統)
父リアルスティール
母父ネオユニヴァース
(オプション)
集中状態での多頭数+「G3→G1」格上げ、「差し→先行→差し」バウンド位置取りショック、生涯初G1。
「使い込みによる調子上げ」という手法で、マイルCで2度連対を果たす経歴を持つ昆貢厩舎。
上記で挙げたディープスカイの他に、ローレルゲレイロが年明けから3戦使い、同レースで2着に入っている。
ローレルゲレイロは8戦1勝(1,4,2,1)での参戦。函館2歳から重賞連対を果たしその後5戦重賞を使った末のG1連対。ディープスカイは9戦目で重賞を制覇しその勢いでマイルCとダービーまで制覇させている。
そんな昆貢厩舎が今回送り出してきたのが、アレンジャーである。
履歴を見てみると、初勝利に5戦、4走後に初重賞で見事連対を果たしているようにディープスカイにちょっと似た経歴である。
特徴的なのは、多頭数競馬やペース激化に対する食い付きの良さで、初勝利は「11→15頭」、前走の重賞連対も「10→16頭」の頭数アップのタイミング。前々走の連対は「1600→1200㍍」距離短縮によるものだ。集中力、闘志の高さを物語っており、おそらくは格上相手や激戦に強く、且つタフなタイプだろう。
叩き良化型向きのマイラーとしては、極めて優秀な血統背景を持っているところも魅力。
父はリアルスティール。その全妹は、オークスの他に香港G1を2勝、米ブリーダーズCフィリー&メアターフを制した名牝ラヴズオンリーユー。ミエスク牝系の血を引く世界的な名門どある。しかも母父がストームキャットと、さりげなく流行のスピード色を付加。
母はコテコテのヨーロッパ色。母父でイギリス色のタフさを強調、母母でノーザンダンサー質の持続力を強調。
父のスピードからこの路線に対する適性の裏付けは取れるし、母から叩き良化型の裏付けも取れている。使い込まれたタイミングでのマイルG1参戦というのも、理に適った挑戦であると考えたい。
余談ではあるが、昆貢厩舎は近年でもマテンロウオリオンで連対を果たしている。これまで5回このレースに挑戦し、実は「1,2.0,2」連対率.600と得意としているのだ。
更に11番枠は、昨年のシャンパンカラー、2020年のラウダシオン、2018年のケイアイノーテックと、ここ10年で3勝と相性の良い枠。根拠のないデータではあるが、データ派馬券師にももっと注目されて良い(笑)。
今年既に4戦も、重賞チャレンジは前走のみ。その前走も、スローの流れの競馬で体力負荷が抑えられている。
高い見返りに期待し、今回はこの馬を本命に推してみたい。
○ノーブルロジャー
父パレスマリス
母父モアザンレディ
(オプション)
「1600→1800→1600㍍」バウンド距離短縮、「差し→先行→差し」バウンド位置取りショック。
疲労なく、力量もしっかりしており、正直軸として無難そうな馬で、実は一番のオススメである。前走は、少頭数のスローを先行しての2着。
少頭数のスローでパフォーマンスを落とす事は、精神力の裏返しという事で評価出来るが、2着は良く走れており、気の良さも体力も兼ね備えたタイプなのだろう。安定したパフォーマンスを見せてくれるはず。
マイナス面は、先行と大外一気の経験しかなく、集中力の裏付けに欠けているところ。
この内枠をどう捌くかに注目したい。
▲ジャンタルマンタル
(血統)
父パレスマリス
母父ウィルバーン
(オプション)
「2000→1600㍍」距離短縮、多頭数内枠、「先行→差し」位置取りショック。
皐月賞の内容があまりにも高過ぎるが故に、評価を下げた。今年の皐月賞は、前半57.1の超激ペースで流れ、当然逃げたメイショウダハルは最下位に沈み、2番手を追走したシリウスコルトは14着、4番手を追走したアレグロブリランテは15着と他の先行勢が総崩れとなる競馬。そんな中、3番手追走から早目に先頭に立つ横綱相撲で、あわや押し切るか!?、という内容での3着。勝馬以上の内容だっただけに、このレースでの体力消耗も尋常ではなかったはずだ。あれから中2週では、疲労が癒えるはずもなく、反動が心配となった。
ある程度のマイナス体重は当然のリアクション。今回は位置取りを下げ、「距離短縮+位置取りショック」による体力補完である程度カバーする事は可能だが、プラス体重となると、逆に「疲労により馬体を緩めた」感が強くなるので注意が必要。当日の馬体重には注意したい。
△チャンネルトンネル
(血統)
父グレーターロンドン
母父ヘンリーザナヴィゲーター
(オプション)
集中状態による多頭数+「G3→G1」格上げ。
集中力は高いが、闘志的な面がちょっと薄くリズム的にもダイナミズに欠ける。オプションや得手不得手が激走凡走に作用するというよりは、基本的にはしぶとさを前面に出して走っているイメージ。
闘志は薄いが決して無い訳ではない。ジュニアCは距離延長ではあったものの、実質的にはペース激化ステップ。ペース激化の環境下での「差し→先行」で、いわば逆ショックによる好走。闘志なくして出来る芸当ではない。
ただここ3戦がスローでの差し。前走先行して前向きさを刺激したアレンジャーと比較してしまうと、どうしても爆発力という面で見劣ってしまう。
しぶとい競馬での、2〜3着狙いが妥当と考える。
馬券
単勝 11,2
ワイド 11,2,16ボックス
3連複 2−11−16
3連単フォーメーション
11,2→11,2,16→11,2,16
他有力馬評価。
アスコリピチェーノ
競馬が素直で完成度の高さが売りのタイプ。どこがどう強いというよりは、この馬が桜花賞まで存在感を示せていたのは、今年の3歳牝馬のレベルの低さによるものだろう。
皐月賞はホープフルS組が全く歯が立たなかったように、レベルの高い世代というのは、新勢力が台頭してくるものだ。牡馬勢力が加わり、これまで同様のパフォーマンスを期待するのは酷。
ゴンバデカーブース
サウジRCの内容から、マイルではちょっと追走に難がありそう。しばらくレースから遠ざかっているのも気掛かりな点。
今回は追走力不足でコケ、次走距離延長での巻き返し(ダービー)に期待。
ボンドガール
血統からして、高速前残り馬場なら面白いが、差し馬場では苦しい。
ディスペランツァ
勝ったレースはいずれも後傾ラップ。流れの厳しいレースでは果たして…
昆貢厩舎の「使い込み調子上げ手法」でNHKマイルCを連対を果たした2頭のその後はというと…
ローレルゲレイロはダービー惨敗後、休み明けを4度叩いて東京新聞杯を制覇、5歳になり高松宮記念とスプリンターズSのスプリントG1を勝ち息の長い活躍を見せた。
ディープスカイは、勢いをそのままにダービーも制覇。休み明け後の神戸新聞杯を制覇した後は、勝鞍こそ無いものの、天皇賞秋でウォッカ、ダイワスカーレットといった歴史的名牝を相手に互角の競馬を繰り広げ、引退レースとなった宝塚記念でもドリームジャーニー相手に3着と健闘。結局馬券圏内を外れる事なく安定した活躍を見せた。
本来無理使いをさせて激走させると、心身が硬くなりそのまま終わるパターンが多いが、昆貢厩舎の馬は心身が柔軟で、芯が強く本当にタフだ。調教法によるものなのか?、はたまた相馬眼により芯の強い馬をスカウトしているのか?は不明だが、厩舎の傾向から、このレースに限らず、アレンジャーをしばらく追ってみたいと考えている。 05/05 11:38
夏影 予想歴41年 回収率% | 予想のベースになっているのは、今井雅宏氏考案の『Mの法則』。 総拍手獲得数:1263 | |
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