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まず馬場は先週通りの超高速状態で良い。外差しが決まることもあるが、ペースが上がり切らず上手くトップスピードに乗せたもん勝ちという感じのケースで起こっていて、基本的には勝負どころがコーナーになればインにいる方が圧倒的有利だとみて良いと思う。
というところで展開予想なんだが、このレース相当読みにくい。ただ、展開次第でガラッと結果が変わるレースだと思うだけに、完全に決め打ちしてしまわないと馬券は当たらないかなと思う。
まずハナ宣言しているスズカデヴィアスだけど、ブラフの可能性もあるうえに、そもそもそんなに意に介さず逃げてきそうな馬が結構いる。特に田辺のクリールカイザーは腹に一物抱えてそうだし、タマモベストプレイもスローに落とされては困るので途中で譲りはするだろうが序盤はある程度出していくはず。カレンミロティックやラブリーデイといったところに、内からラストインパクト辺りまではとりあえず好位集団に。先行集団も色々な思惑がある中で、恐らく前半の1000は59秒前後でそこそこ流れるとみる。それと同時に後方集団。特にゴールドシップは最序盤の段階で動く可能性があり、特に前が今回ある程度飛ばして前同士での戦いがある中で、落ち着いた中盤を見越しての捲りは大いにありうる。そのためにも恐らく最内から出負けして無理せずに外に誘導、3角の下りからじわっと加速して1周目からスタンド前で動いてくる可能性も決して低くないだろう。その流れの中で外の差し追込み馬の隊列、恐らくサウンズやアドマイヤは中盤ぐらいでの競馬になるんじゃないかとみるが、キズナは宣言通り後方からという形でまず間違いないだろうと思う。シップの動きに呼応できる順番で言えば恐らくキズナやデニム、フェイムゲームといった後方勢で、サウンズやアドマイヤが中団内を意識しているところに、シップの中盤超早めの動き出しに合わせて恐らくデニムの浜中も勝負に出て外から外から中団をかぶせつつ中盤で前に取り付いていくと。キズナはこの2頭を見ながらワンテンポ遅らせる可能性もある。先行集団はばてて下がってくる馬も多いし、外から押し上げ押上げの形になるとインに拘る騎手より外から仕掛けに沿って動ける馬の方が良いかなと。菊花賞で前中後半をフラットに進めて超絶レコードが出たことはノリならわかってそうだし、早い時計を出すなら例年緩む傾向が強い中盤を活かすしかない。そういう競馬を仕掛けてくるという前提でシップの動きに合わせて行ける人馬を狙いたい。今回はちょっと天皇賞春の鉄則と言える前々内内で待てる総合力馬ではなく、敢えてシップ横山典弘の動きを読みたい。
◎デニムアンドルビーは浜中とのコンビ、シップの動き出しで迷わず動けそうな人馬という点でとった。この馬に関しては阪神大賞典でシップ相手に勝負に行って直線序盤で一瞬は勝る脚を見せた。L1でシップのポテンシャルに屈した形で、タフな馬場下でトップスピードが全く要求されない完全なポテンシャル戦ではシップに分があったが3着以下は千切っているわけで、長距離適性は間違いなくある。12.9 - 12.6 - 12.2 - 12.4 - 12.0 - 11.7 - 12.2のラップ推移からも完全なステイヤー戦だったわけで。この馬はそれだけじゃなく、トップスピードに乗ってからの持続力が非凡。シップが伸びあぐねて失速したJCでは同日の500万下以下の時計となる要因となった超スローからの12.8 - 12.4 - 11.6 - 11.1 - 11.1 - 11.9と4F勝負、TS持続特化戦と言って良い流れの中で外々から仕掛けながら直線じりじりL1グンと突っ込んでジェンティルを喰おうとしたレベルで典型的TS持続力タイプ。ヴィクトリアマイルの7着が良い意味で解せなかったんだけど、基礎スピード不足明らか、後方で終いだけに徹したがL1でグンと伸びてきた。これパワースポットがトップスピードの質、持続力ともにマイルでは相当高いと思っていたんだけど、同じ位置にいて11.5 - 11.8 - 11.4 - 11.2 - 11.7とギアチェンジもそんなに要求されずにエンジンがかかった状態で置かれなかったことと、L1でTS持続力を発揮していたことが大きいという感じ。もっとひどい着順を想定していたし、マンボの時のエリ女でもL1最速の重馬場での変則トップスピード戦で意外とL1頑張っていたから、エンジンの掛かりさえしっかりできればという点で本来京都芝外は合うはず。それに基本仕掛けに関してはかなり積極的な浜中で、ノリが勝負に出るところを見逃すようなことはないと思う。この流れに沿って脚を出し切れればこれが一番だろうと。秋の天皇賞はスローでTS持続戦は良かったが進路確保で遅れたし、JCはペースそのものが早くて基礎スピード面で足りないこの馬の脆さが出たという感じ。いずれにせよこの馬は過小評価されている感があって、不器用な馬で有馬でも着順は悪いが前を向けずに置かれたのが痛かっただけでL1は伸びてきていた。距離は全く問題ないし高速馬場も問題ない、TS持続力も高いので余力を残しやすい高速化は歓迎、ポテンシャル戦でも高速京都なら前走のシップとの差で逆転も十分可能。単純に展開のマッチ、能力的にも期待したいという意味で本命。
〇キズナは…まあ悩んだ、色々と。正直なところ大阪杯までは天皇賞春でも本命視する予定ではあったんだが、やはり大阪杯はそれなりに不安材料にはなる。まず大阪杯のラップ的に見ても12.3 - 12.4 - 12.3 - 12.2 - 12.1 - 12.8と前が淀みない平均ペースを刻む流れの中で3角手前、L5辺りから明確に動いた。そこからラキシスに追いついてから2頭の戦いになったわけだが、まあラキシス相手に1F長いロンスパの形をとってL1で甘くなったのは仕方ないにせよ完敗だったというのはちょっと物足りない。京都記念では最速地点で鋭く切れて、12.2 - 12.4 - 11.7 - 11.4 - 11.0 - 11.6とL2の中で10秒台の脚を使って差を詰めてきていたのだから、これはトップスピード面では一定以上の評価は必要も、L1は甘くなった通りこの辺りはこれまでからちょっと変わってきている感じ。そう考えた時に、ゴールドシップの動きに合わせての後方からのロンスパでねじ伏せきれるかどうか、という観点で見ると以前ほどの自信はない。しかも恐らくキズナの競馬をするのでポジションは後方からだろう。まあシップの動きに合わせながらの競馬にはなると思うので、その点はきっちり見逃さない武豊。トップスピードの質に関してはウインバリアシオンと今なら互角だろうし、TS持続力ならまだこちらの方が上、ポテンシャル勝負でもまだ負けないだろう。デニムや▲馬のようなTS持続、ポテンシャルタイプの強襲は警戒したいし、状態面は正直大阪杯の方が良かったかな…というぐらい。ただ結局後半勝負なら昨年の天皇賞春だけ見ても最上位だし、今ならトップスピード面も違う、昨年より仕掛けが早ければポテンシャル面では足りなくなってきているウインやホッコーは交わせるはず。その辺りを信じて対抗に据えたい。
▲フェイムゲーム
この馬はデニムとの本命ではちょっと悩んだけど、基本的に仕掛けに対しては消極的な騎手だし、下手するとインに固執して前から下がってくる馬を捌きながらの可能性になるというリスクを考えて、まあ能力はデニム同様評価しているが単穴までにしたという理由。そもそも昨年の天皇賞春の後方勢で少なくともシップよりはパフォーマンス的には上だった。中弛みから12.9 - 12.3 - 11.7 - 12.0 - 11.1 - 11.7と3~4角でもなかなかトップスピードに入らない中で後方外目にいながら仕掛けを待つという北村らしい消極性が仇となって外々からの押上げ組、キズナ、シップにも外から蓋されて直線最速地点まで仕掛けられず、ワンテンポ置いてからの仕掛けになってL1でようやくシップを差し返すという感じで脚を出し切れなかった。まあ今回はシップが動いて早めの仕掛けという想定なので、昨年の展開、仕掛けのミスマッチは解消される可能性が高い。その点で最初から重い印は打つ予定だった。長くなるので軽くにするが、アル共もダイヤモンドSもL1で突き抜けるTS持続力が持ち味で、ポテンシャル面は昨年のダイヤモンドSでL3最速戦外から捲って最後まで押し切る強い競馬、タニノエポレット比較で見ても普通にステイヤーとしては最上位に入ってくるべき一頭で昨年は流れに沿わない競馬になったのが痛かっただけ。後はシップの動きの中でしっかりと呼応できるかどうか。そこさえしっかりとやれれば同じ位置から同じタイミングでの仕掛けになればL1の持続力はデニム同様キズナやシップにも脅威となるはずで。
完全版はこちら↓ 05/03 14:20
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