ヤマニンメルベイユはスタート後必至に押すも、掛かり気味にスタートしたザレマの先手をなかなか奪えない。
１コーナーのコーナーワークでようやく先頭に立つも、今度は外から一気にスペシャルフロートが動いてこれがハナ。
戦前の予想とは裏腹にかなりスタートは忙しくなった。
レッドアゲートは距離短縮のせいかまったく先行できず万事休す。

道中ペースは、スペシャルフロートが離して逃げる前後半の時計がほとんど変わらない淀みない流れ。
強引にハナを奪ったスペシャルフロートは４コーナーでもう一杯。
直線でヤマニンメルベイユ、ザレマが一気に先頭に立つも、さらに内から良い手応えで伸びてきたピエナビーナスが狭い間を突いて一気に先頭に立つと、そのまま押し切って波乱の決着となった。

勝ったピエナビーナスは今の札幌で勝つにはこれしかないという完璧な競馬。
１コーナーの進入から４コーナーの出口まで内ラチ沿いの経済コースをぴったりと回り、直線に向いてから他馬よりワンテンポ遅れてゴーサイン。
直線でもタレたスペシャルフロートとヤマニンメルベイユとの間に空いた１頭分のスペースに巧く飛び込み、まったくロスのない最高の競馬ができた。
前が飛ばすレース展開やまったくのノーマークだった点も向いたが、古川Ｊの好騎乗を素直に評価したい。
開催が進んだ札幌は内も徐々に荒れつつあるものの、インコース有利の傾向はまだ揺るがないだろう。

２着ザレマは走る気満々のレース振りが目を引いた。
スタート後馬なりで楽に良いポジションを取れたことが全てだろう。
直線では一瞬先頭に立ちあわやと思わせたが、早めに動いた分最後は勝ち馬離されてしまった。
1800mまでの牝馬限定G3では素直に力上位という事だろう。

３着アメジトリングは勝ち馬とは対照的に４コーナーで大外を回ってきた。
相性の良いコースで自分の競馬に徹しての好走。
展開が向いた感もあるが、コースロスを考えればよく走っている。

直線で内を選択して前が壁になり、スムーズに競馬のできなかったスペルバインドは次走現級に戻っての巻き返しに警戒。

折角内枠に入ったのに道中外に持ち出し、４コーナーで外を回して結局伸びなかったレジネッタの復調はまだまだ先だろう。

08/21 23:24　回顧アクセス：4755