|
(馬場について)
暮の阪神開催が終わると1か月半ほど馬場を休ませ、次開催の為に芝の貼り替えを行う。
本来ならシャタリングを行って芝の成長を促進させたいところだが、冬場で野芝の休眠期である為にそれが出来ない。
その為、この時期の阪神開催は路盤が硬い状態で開催される。
路盤が硬い状態で芝が成長する為、クッションが効かない高速前残り馬場になりやすい。
この週からBコース使用となる為、内側の傷んだ部分が仮柵によってカバーされる事になる。
前週の大阪杯とは打って変わって、先行やイン差し向きのコースになる事が考えられる。
スプリント志向の強いレースだが、加速力ではなくスピードと持続力が問われる。
1200〜1400㍍ではスタートの加速力不足で差し追込みに回るようなタイプが、1600㍍距離延長で流れ緩むようになり前目のポジションで競馬してくるパターンが一番面白い。
グランアレグリアやレーヌミノルのようなタイプだ。
マイル以下の距離経験が無い馬を狙うのであれば…
・先行脚質タイプ
ソダシやラッキーライラック、ソウルスターリングなんかが、このパターンで馬券に絡んでいる。
若しくは、
・追い込み脚質タイプ
主流色の強い血統背景を持ち、近走常に最速上がりをマークしているようなタイプが良い。
上がりが突出していないとかなり辛い。
サトノレイナスや、アーモンドアイのようなタイプだ。
(結論)
◎アルーリングウェイ
父ジャスタウェイ、母父フレンチデピュティ
「高速前残り競馬」、「リステッド→G1」格上、「重賞初挑戦」、「多頭数内枠」
初戦と2戦目にスプリントレースレースを体験し、且つ前走マイル戦を先行して勝った事を評価。
ヴァイスリージェント系の血を持った牝馬はスプリント向けのスピードを持った産駒が多く、桜花賞との相性も良い。
昨年の勝馬ソダシは父、3年前の3着馬クロノジェネシスは母父、4年前の3着馬リリーノーブルは母父にこの血を持っている。
スプリント戦をしっかり熟せているので、道中の流れにスムーズに乗れる。
マイル戦で先行して勝てる事から体力もしっかりしている。
良い枠を引き当て、レース序盤から有利に競馬が進められるはずだ。
○スターズオンアース
父ドゥラメンテ、母父スマートストライク
「生涯初のG1挑戦」、「G3→G1」格上げ、「多頭数内枠」、「先行→差し」位置取りショック。
ここ2戦は1番人気を裏切る形となってしまったが、道中しっかりと前目のポジションで流れに乗れている事を評価。
3戦目は赤松賞は少頭数競馬の外枠。
これを凡走し、「多頭数内枠」、「格上げステップ」のフェアリーSでパフォーマンスを上げている事も評価出来る。
ドゥラメンテ産駒にしてはかなり集中力が高いタイプだろう。
母はイギリス産馬も母父の影響強く良いスピードを持っているし、万能性も高そうだ。
実際前捌きの非常に柔らかい走りを見せるタイプで、走りの見た目以上に実際のスピードは出ている。
この馬はマイル以上の経験のみ。
マイル重賞2戦いずれも差されている事からも、気持ちポジションを下げて欲しい。
「先行→差し」位置取りショックで体力を補完してやると面白い。
▲ナムラクレア
父ミッキーアイル、母父ストームキャット
「高速前残り競馬」、「1400→1600㍍」距離延長、「差し→先行」位置取りショック。
阪神JFを5着と凡走した馬だが、サークルオブライフのようなスタミナ色の強い馬が勝ったレース。
例年の桜花賞とは違う物理適性が問われている。
スピード色の強いこの馬が、スタミナ色の問われるレースで5着に頑張ったのだから、かなり強い内容だったと言えよう。
フィリーズレビューは、アネゴハダの「加速力」VSナムラクレア、サブライムアンセムの「末脚のスピード」という構図のレース内容。
勝馬サブライムアンセムと共にキレのある末脚を披露してくれた。
実は過去この馬に非常にそっくりな経歴を持つ桜花賞馬が存在する、レーヌミノルだ。
夏の小倉1200㍍を連勝し、秋の1400㍍重賞を好走。
阪神JFは、後のオークス馬ソウルスターリングの体力に屈する。
休養後、フィリーズレビューを差す競馬で2着…と全く同じような経歴を辿っている。
なぜ同じような経歴を辿るか?と言えば、この両者の個性がそっくりだからに他ならない。
そういった理由から、レーヌミノルのコピー的存在としてこの馬にも注目している。
かなりの数の重賞を使われた馬だが、基本は内回りや小回りの1200〜1400㍍を使い、「ここぞ」というタイミングだけマイルを使っている事に好感が持てる。
今回は、普段のレースとは距離もコース形態も違うレースになるので、フレッシュさを得る事が出来る。
△プレサージュリフト
父ハービンジャー、母父ディープインパクト
「外枠」、「生涯初のG1挑戦」
母の影響が大きく、極めて主流色が強いタイプ
かなり気の良いタイプで、精神力は希薄。
揉まれ弱いので、外寄りの枠が必須条件となる。
前向きさに欠けるタイプなので前残り馬場だと追走に苦しむ場面も想定出来るが、最後はしっかり伸びて来るタイプだろう。
昨年2着馬サトノレイナスに似たイメージ。
外差しの決まらない馬場だと厳しいが、初G1とフレッシュさを感じるタイミング。
ナミュール以上の評価を与えたい。
(注目馬以外の人気馬)
サークルオブライフ
父エピファネイア、母父アドマイヤジャパン
スピードではなく体力的な完成度の高さを武器にするタイプだけに、追走スピード、末脚のトップスピードを同時に求められると辛い。
前走はスローになり楽に先行出来たが、今回はそうはいかなくなる。
以前も話したが、精神的にも物理的にもオークスがベスト。
✕ナミュール
父ハービンジャー、母父ダイワメジャー
流れに乗せて競馬をさせたいだけに、この枠だと辛い。
ポジション取りに苦労し、レース序盤から無理を強いられる展開になりそう。
本番前はあまり負担を掛けない方が良いタイプなので、クイーンCを使ってレース間隔を開けるか、負担の少ないリステッドレースを使って本番に備えて欲しかった。
同路線ストレスも高く。
✕サブライムアンセム
父ロードカナロア、母父シンボリクリスエス
前走の勝ち方に適性を感じるものの、バウンド距離短縮による激走。
反動及び蓄積疲労の心配も。
ラブリイユアアイズ
父ロゴタイプ、母父ヴィクトワールピサ
今回は大幅馬体増での出走となりそう。
将来的な見地から言えば大幅馬体増はプラスも、このレースに限って言えはマイナス。
2歳時は馬体を削り続け、体力ストックをかなり失った。
そういった理由から、今回の休養で体力充填出来たのは良かった。
しかし体力が有り余る状態で外枠からのスタートとなると、余裕で追走出来てしまい、且つ外目のポジションを進み馬混みに揉まれる事もないとなると集中力を切らせてしまう可能性が高くなる。
この馬は厳しい状況を突き付けてやると、その状況を打破しようと頑張るタイプ。
逆に変に気持ちに余裕を与えてしまうと、レース以外の事に気を取られ走らなくなるリスクが発生するタイプでもある。
タイミング的には次走が面白い。
ひと叩きされ馬体が絞れ、少し体力的なしんどさが増すと逆に集中力が増す。
NHKマイルCなら「生涯初の牡馬混合G1」、安田記念が使えるようなら「生涯初の古馬混合G1」というフレッシュさが付加される事になり、面白さが倍増する。
前走の阪神JFでは本命馬に抜擢したが今回は静観。
次走以降に注目したい。 04/09 11:36
夏影 予想歴39年 回収率% | 予想のベースになっているのは、今井雅宏氏考案の『Mの法則』。 総拍手獲得数:1263 | |
|