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大阪杯の特徴として、根幹距離である事と、内回りコースで行われる事が挙げられる。
傾向はこの2点を弁えたものとなっており、意外と理解しやすい。
小回りであるがゆえに、アメリカ色の前向きさや、ダンチヒ系の加速力が有利に働く事。特にデインヒルの血の威力は凄まじく、昨年は馬券にからんだ3頭全てがデインヒルの血を保有していた。もう一つは、主流種牡馬の血を持った仔が走りやすいという事だ。ディープインパクト系、キングカメハメハ系の産駒が多数馬券に絡んでいる。
日曜日は日付が変わる頃から雨が降る予定となっているが、お昼前には止むとの事。降雨量は10ミリ前後。その後はカラッと晴れ気温も上昇、3m/sほどの心地良い風も吹く予定で馬場が回復しつつある状態でレースを迎える事になる。
先週の内回りの競馬を見ると、前残りあり、外差しもあったが、イン差しは見られなかった。今週から仮柵が設けられ、先週より、コーナ部は4㍍、直線走路は3㍍外にズレる。先週差し馬が伸びて来た部分を最内として走る事になる。芝生も内から乾いてくるので、おそらくは午後の競馬からイン差しが決まりやすくなると考えている。馬場はおそらく稍重か良馬場となりそう。
先週の日曜日に行われた四国新聞杯(2勝クラス牝馬限定)の勝ち時計は2.01.0とかなり遅め。中間の気温も低く、おそらくは芝の育成も遅れ気味なのかなぁといった感じだろう。
デシエルトもいる事なので、スローは考え難いが、前走の疲労が抜け切らない事が十分に考えられるタイミング。鞍上も変わり、後続を引きつける気味な逃げに変わる可能性は考えておきたい。
小回りの差し競馬に良績のある馬に注目。今回は、小回り適性を見せたG1レース2着馬が、あまりにも軽視されている模様ようなので、思いっ切り狙ってみたい。
◎コスモキュランダ
(血統)
父アルアイン
母父サザンイメージ
(オプション)
「2000→2200→2000㍍」バウンド位置取りショック、「G2→G1」格上げ。
父はディープインパクト産駒のアルアイン。アメリカ色の強い母方の影響を強く受けた馬で、皐月賞と同レースの勝馬。自身のスピードと前向きさが存分に生かされる小回りG1で本領を発揮していた。
コスモキュランダ自身も皐月賞2着、セントライト記念2着と父が好激走したレースで連対を果たしているあたり、しっかりアルアインの特徴を受け継いでいる。
特に評価したいのは皐月賞の内容だ。前半57.5の速い流れを中段馬群で流れに乗り、上がり3位の末脚で勝馬に迫り、1.57.1という高速決着の中でタイム差無しの2着と好走。
3着には朝日杯FSとNHKマイルCの勝馬ジャンタルマンタルが入り、後の有馬記念勝馬レガレイラは6着と人気を裏切ったように、物理的にもマイル寄りに傾きスピード資質が問われたレースだった。
母はオセアニア産で、このレースでは必須となっている前向きさとパワー(加速力)に関しては申し分ない。母母母はこのレースと抜群の相性を誇るデインヒル産駒。血統背景はしっくり来ているし、力量的にも十分だ。
馬格がそれなりにあるオセアニア血統馬で、道悪適性はおそらく「鬼」。雨の影響が増すようなら、さらに期待値は上がると見る。
◎ラヴェル
(血統)
父キタサンブラック
母父ダイワメジャー
(オプション)
多頭数内枠、生涯初牡馬混合G1。
3歳牝馬クラッシック戦線からしばらくの間低迷していたが、ここに来てこの馬本来の調子を取り戻した。
アルテミスSでは直線で抜群の反応を見せて抜け出すと、あのリバティアイランドの追随をも許さなかった。そして、その加速スピードは京都内回りで行われた、チャレンジCで再び火を吹いての完勝。その前のエリザベス女王杯でも2着に入るほどの実力がありながら、今回は何故か13番人気とファンから見離されている。
前走は少頭数ながら、デシエルトのハイペース逃げが敢行された事により、かなりハードなレースとなった。競馬を最初から投げていたこの馬は、全くダメージが残っていない。むしろ「重馬場→良もしくは稍重」は「苦→楽」要素。しかも、今回は馬場が乾きやすい内を突ける特典もある。
前走の大敗で評価を落としているようだが、2着に入ったエリザベス女王杯は、休み明けのリステッド競走を6着凡走した後の格上げ参戦でパフォーマンスを上げた。評価を下げるのではなく、叩かれた上積みを期待するのが筋である。チャレンジC勝ちも精神力を窺わせる素晴らしい連続好走だ。
血統面ではナミュールの半妹。母母母キョウエイマーチにフレンチデピュティ→ダイワメジャーとスピード色が強化された血統背景を持つ。根幹距離G1では欠かせないスピード要素面は、この馬が最右翼と言っても過言ではない。
母父ダイワメジャーは500kgを超す馬体をを持った皐月賞馬。抜群の加速力とスピードで大外枠から番手を奪い取り、皐月賞を制した。その時代に大阪杯がG1であったなら、好走は必至だったであろう。
「◎」同格評価で。アルテミスSやチャレンジCで見せた超加速の再現に期待したい。
✕デシエルト
✕ホウオウビスケッツ
レースを考える上で血統も大事だが、ステップレースの内容にも拘らなければならない。米国色の強い前向きさがあり、血統面では魅力があるが、問題なのは前走の内容。
体力負荷が余分に掛かる重馬場で、前半58.2というハイペース逃げを敢行したデシエルト。ゴール100㍍前まで先頭をキープし、最後力尽きたとは言え勝馬とは0.4秒差の4着と頑張った。前向きさが誇張された馬は、レース前半から全開の走りを見せ、全能力を完全に出し切る競馬をしてしまう為に、レース後のダメージが大きいのも特徴だ。
そんな内容の競馬から中2週でG1を迎えるのというのは、ちょっと疲労やストレスを癒すに時間が足りない。
大阪杯とドバイWCの開催が重なる事は当然分かり切った事。今回池添への乗り替わりはプラン通りという事になる。
武豊側からすれば、ドバイ行きで大坂杯に乗れないのであれば、金鯱賞で目イチの競馬をさせて勝ち(結果は負けたが…)、デシエルトを出涸らし状態にして池添に押し付ければ良いや…という考えに至ってもおかしくない。それが、あのハイペース逃げだったと考えている。大阪杯を最大の目標に置くのであれば、トライアルでは負荷の掛からない競馬をするはず。
今回大逃げではなく、普通の逃げになると予想しているが、後続を引き付けてしまうと、それはそれで、後続の圧をモロに食らいやすくなる競馬になる。
デシエルトを番手追走から、最後交わして勝ち負けに持ち込んだホウオウビスケッツも同様である。反動が出ると見て軽視したい。
✕ボルドグフーシュ
不器用ゆえ、内回りの内枠というのは…
✕シックスペンス
✕エコロヴァルツ
前走は開幕馬場という軽い馬場で、接戦によるストレスを残した。
接戦ストレスの他に、プラス「開幕馬場→摩擦馬場」という馬場ギャップによる「楽→苦」効果を食らうタイミング。
パフォーマンスを落とす条件揃い、激走を期待するのはどんなものかて… 04/06 09:34
夏影 
予想歴42年 回収率% | 予想のベースになっているのは、今井雅宏氏考案の『Mの法則』。 総拍手獲得数:1273 | |
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