モエレビクトリーとエーシンコンファーが織りなす流れは、前後半がほぼ一緒という平均ペース。ラスト１Ｆも注文通り12秒台を要したが、本命マッシヴエンペラーは追い出されてから苦しくなり、結果伸び切れず４着止まり。スローの競馬に比べれば勝ち馬との差はかなり縮まったが、馬券の対象としては現状もっと全体の時計がかからないと通用は厳しかったか。一方、上がりがかかって上位へ浮上できるのを確認できたのは敗れたとはいえ収穫になった。

　逃げ馬と番手がそのまま残る流れの中を、ただ１頭キッチリ差し届いて勝利したオートドラゴンは、走破タイムは平凡でもその末脚に確かさがある。成績を振り返ってみても、デビューから現在まで最も悪かった着順が６着、ほとんどのレースで掲示板を外していないことからも、その堅実さがいかに本物か分かるはず。脚元に不安があるようで何度も長欠を余儀なくされているが、その不遇を考慮すると余計にこの相手なりにはまだまだ奥がありそうだ。オープンでも派手な決め手や高速決着を要求されない場面なら、いぶし銀の活躍が期待できるかも。

　モエレビクトリーは自分の競馬でしっかり連対を確保したが、勝ち馬には完敗の上、後続に差し切るだけの脚を持った馬がそもそもいなかったのも幸いしたかのような２着だった。気風のいい逃げ馬だが、準ＯＰや格上でマークされても逃げ切れるほどの地力があると仮定すれば、そもそも今回もっと際どい競馬になっていた。前に行ける脚があるので危険にはしないが、次走過信は禁物。

　人気で裏切ったマッハヴェロシティとミッキーパンプキンはお互い決め手の質こそ違うが、脚の使いどころが難しい点はまさしく共通。なまじ強敵相手に善戦した経歴があるので現級で押し出されて人気になりやすいだけに次走は危険視でいい。

　レッドスパークルは負け過ぎながら、調子自体が良くなかった印象で敗戦そのものは参考外に。ただし、復調にはまだ相当時間がかかりそう。

11/11 01:47　回顧アクセス：5118