ジャパンカップはブエナビスタが制し、GI6勝目をあげた。

レースは予想通りのスローペース。1000m通過61秒8は天皇賞・秋のそれより5秒3も遅い流れ。好位のインでじっとしていたブエナビスタ。手応え十分のまま直線に入り、外から来たトゥザグローリーにかぶせられるような場面もあったが、外へ持ち出すと力強く抜け出し、内から来たトーセンジョーダンとの叩き合いをクビ差制した。

パドックでも馬体が引き締まった感じが受け取れ、天皇賞よりはかなりデキが上向いていると感じた。調教でも長めからびっしり追っていただけにここへ向けた渾身の仕上げだった。一時ほどの切れ味がなくなってきたが、きょうは16頭で唯一の上がり33秒台をマーク。得意の東京で持っている力を存分に発揮できたと言っていい。

2着トーセンジョーダンは3番手でしっかり折り合い、インからしぶとく伸びて来た。前走とは全く異なる展開にも対応しただけに本当に力を付けている。勝ち馬とは枠順の差か。

3着ジャガーメイルはデキの良さを活かした。この条件が最も合っている。

4着トレイルブレイザーはスローの展開でうまく流れに乗った。次の香港でも前々のレースをしたい。

向正面でマクリ気味に2番手まで上がったウインバリアシオンは5着。スローを見越した安藤勝の好騎乗とも言える。初の古馬相手でも大きく崩れなかったことで今後の展望が大きく広がった。

期待したエイシンフラッシュは8着。前半、やや折り合いを欠く場面が見られた。何とか馬込みに入れて運んだが、直線は伸びを欠いた。前走出気分良く行き過ぎた影響が残っているのかも知れない。

凱旋門賞馬・デインドリームは6着。3歳牝馬とは思えないほどパドックでも落ち着いていたが、ポジションが後になった分、流れに乗れなかったか。

ペルーサは最下位。最後は馬が走るのをやめるようなレースで、精神面のモロさが出てしまったのだろう。

＜有馬はオルフェーヴル断然＞
JCが終わり、焦点は有馬記念に移る。3冠を達成し、JCをパスしたオルフェーヴルと復活を果たした女王・ブエナビスタが最初で最後の対決。引退レースとなるブエナビスタだが、JCは目一杯の仕上げだっただけに体調をどこまでキープできるかがカギ。ウインバリアシオンがJC5着だったことを考えると、オルフェの力量はすでに古馬と互角かそれ以上と言っていい。古馬を難なく撃破しての4冠が濃厚とみている。レコード決着の天皇賞→JCと使ってきた古馬勢にどこまで余力が残っているか。天皇賞は枠順に泣いたアーネストリーの巻き返しにも注目したい。

11/27 18:37　回顧アクセス：3034