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過去20年ダービー馬、オークス馬の宝塚記念での成績は次の通り。
1995年 チョウカイキャロル 12着
1996年 ダンスパートナー 3着
1997年 ダンスパートナー 3着
1998年 エアグルーヴ 3着
メジロドーベル 5着
1999年 スペシャルウィーク 2着
2003年 ネオユニヴァース 4着
2004年 スティルインラブ 8着
2005年 スティルインラブ 9着
2006年 ディープインパクト 1着
2007年 メイショウサムソン 2着
カワカミプリンセス 6着
ウォッカ 8着
2008年 メイショウサムソン 2着
2009年 ディープスカイ 3着
2010年 ブエナビスタ 2着
ロジユニヴァース 13着
2011年 ブエナビスタ 2着
エイシンフラッシュ 3着
2012年 オルフェーヴル 1着
エイシンフラッシュ 6着
2013年 ジェンティルドンナ 3着
2014年 ジェンティルドンナ 9着
...と、このレースを勝っているのはディープインパクトとオルフェーヴルの両三冠馬のみ。
しかも、2度チャレンジした馬も多数いるが、1頭たりとも前年の成績を上回った試しがない。
ちなみに三冠馬でないダービー馬が最後に宝塚記念を制したのは、何と1979年のサクラショウリにまで遡るから驚きだ。
意外な事実として、このレースは中距離体系という括りで扱われているにもかかわらず、ここ近年は菊花賞馬との相性が良い。
両三冠馬の他に、ゴールドシップ、ヒシミラクル、マヤノトップガン。
更に古いところでは、ビワハヤヒデやメジロマックイーンなんかがそうである。
ビワハヤヒデやゴールドシップに関してはダービーを負けて、菊花賞を勝った馬である。
G1馬7頭が参加し、『史上最強の宝塚記念』と呼ばれた2003年の勝馬が、何と『ザ・ステイヤー(笑)』と呼ばれたヒシミラクルだったりするから面白い。
同じく、『ザ・ステイヤー』的存在のゴールドシップはこのレースをあっさり連覇している。
何故このような現象が起こるかは、実は簡単な話。
コース適性論者の間では、『府中の根幹距離G1はスピードとキレが問われる』という話は常識とされている。
宝塚記念は内回りコースで行われる。
最後の直線が短い上に、出走してくる馬は力量のある馬ばかりだ。
当然後方でレースを進める馬にとっては、早めに仕掛けていかなければ届かなくなる。
そんな訳でかなり早いタイミングから後半の攻防が始まり、長い時間継続的に脚を使わされる事になる。
それ故に、『仕掛けを待ってキレ味を生かす』ような適性は無用の長物となってしまうのだ。
逆にレースレベルが上がればあがるほど、仕掛けのタイミングが更に早くなる、もしくは後半の攻防が更に激化する事になるので、スタミナ要素というものが更に問われるようになる...これが、2003年ヒシミラクル優勝のカラクリなのである。
最近の菊花賞というのは、『3コーナー坂上からの仕掛け』が、必勝のセオリーとなっている傾向もあり、その事が宝塚記念との相性に繋がっているものと思われる。
...そんな理由から、今年の宝塚記念はゴールドシップの3連覇濃厚と見ている。
相手も当然菊花賞馬に注目だ。
ヌーヴォレコルトはオークス馬だが、前走スピード色の強いヴィクトリアマイルで、あっさりコケてくれたのは好印象。
ちょっとだけ評価を上げてみたい。
ワンアンドオンリーは神戸新聞杯での無理が祟って心身を硬くしてしまった。
神戸新聞杯当時のような凄味のあるワンアンドオンリーだったら、前走のドバイでは間違いなく楽勝だったはずだ。今回も今までの傾向を無視してこの馬に◎を打っていたであろう。
しかし、マンネリ化から解放され鮮度を得た海外戦で3着だった訳で、それ以上のパフォーマンスを見せられるとは思えない。
◎⑮ゴールドシップ
私は今までに散々、『この馬は長いバックストレッチを通過するタイミングで気持ちがキレる』と言って来たが、そのツボをきっちり理解出来ているのが今の鞍上の横山典である。
前走無茶とも思える『2角過ぎからの仕掛け』は、そんなゴールドシップの欠点と『体力オバケ』である事をしっかり理解していなければ出来ない奇策である。
スローが考えられるメンバー構成に加え今回は外枠...と、集中力主導系タイプのこの馬には不利な条件も付いてしまったが、鞍上が『馬の気持ちがキレる前に仕掛ける』というツボを押さえているならば問題は無いだろう。
早仕掛けで末脚を失いゴール前で足元を掬われる事も十分考えられるが、コース形態や距離短縮という条件はピッタリ。体力的には抜けた存在で大崩れは考え難いだろう。
○⑭トーホウジャッカル
使い詰めのタイミングで菊花賞を勝ったように、本来身体機能が強く使い込んで集中するタイプ。
休み明けで気持ちがキレてしまっている心配もあるが、心身構造的にはメンバー中一番激戦に向くタイプである。
一頓挫あったが、調教はしっかり積めている。初の古馬一線級との対戦だけに、精神的な新鮮味でレースに前向きになっている事に期待。
鞍上の酒井学も馬ゴミを利用してこの馬の集中力を生かす競馬をしっかりさせており、馬に対する理解度の高さをうかがわせる。
私的にはマヤノトップガンとイメージが重なる馬で、どうしてもこのような舞台では大物食いを期待してしまう(笑)。
打倒ゴールドシップの筆頭に挙げておく。
▲⑤カレンミロティック
前走は『初の超長距離』という精神的鮮度を評価して本命とさせてもらったが、本来は闘争心の旺盛な典型的なハーツクライ産駒で、ペース激化ステップになる『距離短縮』という条件は向く。
前走勝ちに行く競馬で、体力指向の高いレースにも向く事は証明出来たし、今回はすんなりハナを奪えそうなメンバー構成である事も非常に有難い。
前走のストレスが若干心配だが、レース間隔が開きしっかり癒えていると信じたい。
打倒ゴールドシップの二番手として挙げておく。
△⑪ヌーヴォレコルト
ラキシスはキズナを負かし、エリザベス女王杯でもヌーヴォレコルトを負かしている...という事で穴人気となりそうだが、敢えてオークス馬であるこの馬を牝馬最上位に評価したい。
先に述べたように、宝塚記念はスタミナが問われる体力色の強いレースだ。
重馬場の産経大阪杯で負かしたキズナは『スピード&キレ』色の非常に強いタイプでダービーを制した馬。
スピードとキレが殺される不良馬場という非常に不利な条件下、キズナはこれをポテンシャルの高さだけで克服しようとして2着に押し上げただけの話。
大きな不利を背負ったキズナに勝ったところで、このレースに対するレース適性を語るのはおかしい。
それに対しヌーヴォレコルトは、中山記念で展開及びコース適性で利のあった『体力ゴリ押し』系のロゴタイプを負かしている訳で、適性を評価するのであればむしろこちらであろう。
土曜競馬中継で厩舎内でのゴールドシップの様子が映し出されて、疲れている様子もなく、力んでる様子もなく、至っていつも通りのゴールドシップでしたね。
いつも通りの競馬を見せてくれるはずです。 06/28 12:15
夏影 予想歴32年 回収率% | 予想のベースになっているのは、今井雅宏氏考案の『Mの法則』。 総拍手獲得数:1263 | |
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