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展開を予想する前に、まずは当日の天気から入りたい。天気に関しては、今の段階ではまだ何とも言えないが中山競馬場に関しては今の段階での予報ではほとんど限定的な雨量となりそう。土曜の段階では内外で言えば割と中目を通した馬が良い印象だったが、内からも外からもそれなりに来ていたので大きな内外の差、というのは感じなかった。土曜の段階ではそれなりに高速馬場に近いレベルにはあった。時計が出ていなくてもそれなりの速いラップが出ていたし、500万下のマイル戦、上がり切ってなくて2レースとも34秒台に入っていた。まあこの段階でやや高速、乾いていく過程の明日の午前中にはもう一段階は軽くなるとみておいて良さそうかなと。恐らくまともな流れになれば58秒台の走破時計にはまず入ってくるだろうなとみておきたい。
さて、展開予想だが、今年は快速タイプの逃げ馬不在だが逃げ先行勢そのものは揃った。内からドレッドノータスがまずハナを主張する形になるだろう。前走は坂スタートで1角までの距離が短いコースで前に出られなかった。最内枠を利して主張、これをジョルジュサンクがすぐ外から積極的に先行して番手外を狙う。この隊列はすぐに完成するとみればその外からリスペクトアースが絡んできてこれが2列目の外なのかハナを主張してペースを引き上げてくるかで大分絵面も変わってきそうかなと。石川が思い切っての大舞台での逃げとなれば最序盤はそこそこ流れるかなと。ドレッドノータスの藤岡佑介やジョルジュの吉田隼人という観点、また仮に石川君がペースを握ったとしても雨のイメージもある中でペースを引き上げきれるかは微妙で個人的にはハイペースになる可能性は馬場も含めて薄くなったかなとみているし、全体で見ればスローになる可能性の方が高いかなと。リオンディーズはゲートは微妙だがそれでもマカヒキよりはマシで外から押し上げられる。3強の中ではサトノが一番ゲートが上手いし二の足も安定している、マカヒキはゲートが拙いし内枠、ただ先行馬が内に結構多いので、内のスペースを狙って外に出すリスクを取るか、最序盤から最後方で下げ切って外に出すか。その辺りの判断が問われる可能性が高い。イメージ的には恐らく最序盤は35秒台半ばぐらいの流れ、底からちょっと息が入って向こう正面では落ち着く可能性が高いかなと12秒後半までは入らないと思うが、35.5-24.5-24.5-34.5ぐらいのイメージで1:59.0、58秒台を視野にというぐらいの競馬を想定しておく。トップスピードもそれなりに問われる、という想定だ。例年の皐月賞の平均ペース的な流れもあるので、ここは幅を持たせつつではあるが、個人的にはちょっと緩む可能性は覚悟しておきたい。昨年の皐月賞のイメージをもうちょっと強く持つ感じかな。
◎リオンディーズだが、この予想とはもう一つ違うパターンも用意していて雨の影響が土曜の段階で明確に残っているようなら、そして日曜の雨が影響を及ぼすようなら恐らく本命はサトノダイヤモンドだっただろうと思う。ただ、そうではなかった、馬場は比較的土曜の段階でも軽く回復傾向を考えて、かつ日曜でそこまで雨も影響がないというのであれば人馬をトータルで信じられるのはこちら、ということになる。今回の3強の特徴はどれもまだ底を見せていないという点にある。このリオンディーズも弥生賞でマカヒキに差し切られたがペース自体は59.5-60.4とややハイの流れではあったのだが、最序盤少し離れた好位とはいえ目視で35秒台に入ってくる脚を使ってポジションを取りに行った。そこから前が13.0 - 12.8 - 12.5 - 12.5 - 11.3 - 11.3と強烈に遅い中弛みを作ったことで、ポジションを取りに行ったのに結局ここでペースを落として息を入れながら前の減速に付き合う羽目になった。前が余裕がなかった中でこのラップ推移、3角手前からスッとポジションを上げてほしかったのだが仕掛けのタイミングを送れさせる形で4角でようやく明確に動いて先頭に立ち、L2の段階では先頭でそこからは11.3-11.3を踏んで減速せず、脚を出し切っていない。前半が速い、中盤で前がトリッキーに緩めてきたので仕掛けのタイミングが狂ったというのもあるし、前哨戦で敢えて動かなかったというのもある。自身で11.8-11.3-11.3というラップだとコーナーでは速いラップをあまり踏ませていないので後続からフラットに取り付きつつ外から動いてきたマカヒキらにコーナーで差ほど脚を使わせる展開に持ち込めていなかった。その点を考えると本番で中山の動き出しに関しては信頼を置けるミルコが先に動いて脚を出し切る形になれば、サトノはルメールで後手を踏んで脚を出し切れない公算が高くなる馬場になったかな、という感じ。まあサトノルメールが堂々と自分たちの競馬でペースに関わらず好位から動いていくような競馬だと恐らく苦しいが、ミルコ・ルメールならミルコを取る。底を見せていないというのは逆に言えばそれを引き出す騎手が重要になってくる。皐月賞では溜めて脚を余して届かなかった、というタイプの騎手より上手く流れを作ってくれる騎手を取りたい。馬自体は正直今の段階ではサトノの方が性能は高いかなとは思っているんだが、こちらも未知数。ミルコの胆力でそれを引き出してくる可能性が高いし、今回は馬というよりミルコを信じる。
〇サトノダイヤモンドは馬だけなら本命でいいと思う。ゲートも安定しているし、二の足も速くポジション取りに他の2頭と比べて不安が小さい。それでいてこれまででも特に500万下勝ちの阪神2000では時計が掛かっていた中で63.8-60.0とドスローではあったにせよ12.8 - 12.6 - 11.8 - 11.5 - 11.3とL1最速の流れでぶっちぎってきた。他の馬はそこまで引き出せなかった中で、この馬はもう一段階違うギアを見せることができた。少なくともタフな馬場適性は非常に高い珍しいタイプのディープ産駒だなという印象はあった。それだけにペースが上がって基礎スピード面でどうか?と思っていたんだがこれがきさらぎ賞で非常に高いレベルでクリアしてきた。京都芝外1800m戦で良馬場だが同日を見てもある程度は時計が掛かっていた。ペースバランスは47.5-47.1と平均ペース、そこからでも12.3 - 12.2 - 11.7 - 11.9 - 11.3と緩みも大きくない中でL1最速でこれまた中団外からぶっちぎってきた。この馬の付近で60秒そこそこではあるんだが、それでもそこから後半の要素で高いレベルのモノを見せてきたし何よりL1最速というのが大きい。端的に言えばマイルで1:35.6とハロン平均12を切ってきながらL1でこれだけの脚を引き出せた、という点が大きい。それでいてL1最速なのだがそのままあと1Fを走った時に、最低でも12.0で締めてくれば58秒台の競馬に対応できてしまう、ということである。これをそれなりには時計が掛かっている中で鋭く脚を引き出せた。これは基礎スピード面を高く評価すべき根拠かなと。もちろんこの馬の場合ここ3走全て底を見せていないので、本当に化け物かもしれない。特に阪神500万下で見せたあのパフォーマンスは後半特化の中で一頭だけ使える脚の長さも全くつかめないほどのパフォーマンス。馬はとにかくこの段階に来ても未知数の塊と言って良い。後はその未知数の部分をどう開放するか?というのがこのレベルまで来ると重要で、例えば確かに追えば伸びるだろうな、だけど結局後ろから仕掛けが遅れて脚を出し切れませんでした、というパターンが素材の高さを秘めているこの馬にとっては悪手になる。ルメールはそのパターンが多い騎手なので、桜花賞のアレに関係なくこの馬にとっては最初からネックな材料ではあると思う。この馬が一番強い、という意識をもって進められるかどうかだ。それと究極的な切れ味という点では実は上位2頭と比べて未知数で、いい脚は使っているんだが最速で11.3、これは自分が刻む形になっている。マカヒキ、リオン、ロードなんかは10秒台に入ってきている。もちろん馬場やペースもあるので軽い馬場でトップスピードに乗せた時に本当の意味でどの程度切れ味を秘めているかというのも見られるが、良くも悪くも未知数であると。それらを全て含めた時に、素材を出し切ってくれそうなミルコとレースに合わせてしまいそうなルメール。これを天秤にかけた時にリオンディーズとミルコを上位に取るべきかなと判断した。馬そのものの素材はこの馬が一番かなあと思うんだけどね。馬が良ければ勝つってわけでもないのが競馬だしね。
▲ロードクエスト
この馬は雨で時計が一定レベル掛かる状態なら無印、そうでなければ面白いと思っていたい馬で、馬場を考えればここで狙いたいと。まず前提としてトップスピード勝負になる必要がある。これは前走、中山1800の内容からも明らかで、48.3-47.8と平均ペースから12.0 - 11.6 - 12.0 - 11.6 - 12.6と多少淀んではいるもののロンスパに近い形の中で外外から押し上げる形になった。結局L2では伸びていたもののL1の減速地点では詰めきれずになだれ込むだけに終わった。逆に2走前は中山芝内2000m戦、ドスローからの12.8 - 12.2 - 12.2 - 12.1 - 11.5 - 11.7と2F戦なんだが、この馬は最後方ぐらいからちんたら走る形になって向こう正面でも動かず。3角でようやく進出、4角で一気にトップスピードに乗せる形だがここで勝ち馬に内から外に振られる競馬になった。ここで脚を使ったこともあって押し上げてはきたものの直線での伸びに繋がらなかった形。究極的にはトップスピードの質勝負が理想ではあると思うので中山2000だとコーナーで脚を使わされるリスクは当然大きい。勝ち馬もスローでは評価すべきだと思っているし、この馬も馬場を考えるとかなりの脚を使ってきている。脚を溜めた方が良いタイプなのは前走で確定したし、終いに賭ける形で目標を前に置きつつという競馬、TS持続戦になれば面白い。2走前は馬場と通した位置を考えればかなりのレベルにあると思うし、正直その後が結構ダメなので評価が下がってしまっているけど、トップスピード・持続力もだが瞬時に動けるギアチェンジも含めれば3強に割って入るだけのレベルは見せているはず。あとはそれが噛み合うかどうかだけで、そういう点では鞍上も心強い。馬場も含めて運が向いてきたと思うし、もうちょっと内の方が勝負ができたとは思うけど、有力馬を目標にしながら競馬ができそうだし、ゲートは諦めているが前半脚を使わない競馬を徹底して進められれば。
完全予想はこちら↓ 04/17 12:19
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