2013年 タイム 1’31”5 (良) 1FAve=11.44 3FAve=34.31
ラップ
①12.0-②10.7-③11.2-④11.4-⑤11.7-⑥11.5-⑦11.3-⑧11.7
1FAveとの誤差
①+0.6 ②-0.7 ③-0.2 ④±0 ⑤+0.3 ⑥+0.1 ⑦-0.1 ⑧+0.3
テン33.9-中盤23.1(3F換算34.65)-上がり34.5 『前傾・一貫』
『前傾』・・・逃げ× 先行△ 差し○ 追込◎
『一貫』・・・逃げ△ 先行○ 差し◎ 追込△
1着ロードカナロア・・・キングカメハメハ×Storm Cat=キングマンボ×ストームバード 〔2-s〕 8-8
2着ショウナンマイティ・・・マンハッタンカフェ×Storm Cat=サンデーサイレンス×ストームバード 〔4-k〕 15-14
3着ダノンシャーク・・・ディープインパクト×Caerleon=サンデーサイレンス×ニジンスキー 〔1-u〕 11-11
4着マイネイサベル・・・テレグノシス×サンデーサイレンス=グレイソヴリン×サンデーサイレンス 〔4-d〕 11-11
5着サクラゴスペル・・・サクラプレジデント×Cure the Blews=サンデーサイレンス×ターントゥ 〔13-c〕 8-8
流れは、テン-上がりのラップ差から『前傾』とテン-中盤-上がりともに平均ラップとそれほど差がないことから『一貫』の複合ラップ。タイム的には、1’31”5と速い流れにて、やや短距離よりの適性が求められた流れと考える。展開的には、差しが最も恵まれ、次いで追込、逃げ・先行には厳しい流れと考える。
1着ロードカナロアは、前走高松宮記念1着(=中京芝1200m)からの好走。東京芝コースは初で、芝1600m戦は(0-1-0-0)でした。近年高松宮記念からの直行での出走馬の好走が少ない傾向だったが、本馬に至ってはそんなことも関係ないとばかりの1着好走。東京芝コースで好走も多いキングマンボ系の距離の融通性と、母父Storm Catの充実ぶりを侮ってしまったことを反省したい。また安田記念の1週前のダービーでも母父Storm Catのキズナが1着好走していたし、血統的にも好走しやすい下地があったと考える。スプリンターとして覚醒していたと思ったのですが、マイルもこなせる柔軟性もあり、また距離を克服しての好走からも本格化は明らかにて、今後の好走にも期待します。
キングカメハメハ産駒はミスプロ系だが、凱旋門賞での好走も多いキングマンボ系で欧州型の要素を兼ね備えている。格の高いレースでの究極のスピード競馬になると本領を発揮し、厳しい展開ほど持ち前の底力を活かす。ダンシングブレーヴ系に近い特性を有していると考える。母父Storm Catはストームバード系で、斬れよりも全体のスピードに優れ、ハイペースに強いが、揉まれる競馬は苦手。大一番よりも前哨戦が向くタイプ。またストームバード系の特性として、勝負強さや底力には欠ける点と勢いがなくなるとスランプに陥る点には注意が必要。
No.〔2〕の牝系は、2歳戦から走れる仕上がりの早さとクラシックでも好走する成長能力を有した牝系。古馬での成長力も豊富。直線の長いコースでの末脚勝負に強い。分枝記号sは、立ち回りが上手く、スローの上がり勝負で強い。上級クラスでは展開利が必要。
2着ショウナンマイティは、前走産経大阪杯2着(=阪神芝2000m:0.1秒差)からの好走。東京芝コースは(0-0-0-1)、芝1600m戦は初でした。安田記念は、京王杯SCやマイラーズCなど王道のステップ好走馬が連続好走することが意外と少なく、海外遠征馬や大阪杯など別路線からの間隔を開いたステップでの好走が多い。前走大阪杯2着は、現役屈指の能力を有しているオルフェーヴルと僅差の好走で、また前々走京都記念3着(=京都芝2200m:0.3秒差)では、今年の天皇賞春2着馬トーセンラーとと休み明けで僅差の内容からも本馬の能力も十分に高いと考え、ただ問題は初のマイル戦となる距離短縮で好走出来るか?だったが、芝2000m戦(2-2-1-2)に対し、芝1800m戦(2-2-0-0)と距離短縮でも好走している点からも、距離短縮での好走も可能と考えて好走に期待して評価して、結果2着好走。僅差の内容からもこのポイントは活きたと考え、またやや短距離馬向きの流れを本質は中距離馬の本馬が僅差の好走からも、本馬の能力はやはり高いと考える。また前走は上がり32秒9にて好走していて、今回ペースの締まった流れからの末脚勝負は向くと考えたが、実際上がり最速32秒8を繰り出し好走。前走上がり上位で好走している馬は、好走しやすく要注意のポイントと反省したい。昨年秋シーズン以降、1着は取れないが崩れていない馬にて、悲願のGⅠ制覇という点では宝塚記念に向く馬として、また12年宝塚記念2着馬でもあり適性は合うはずなので、次走の好走にも期待する。
マンハッタンカフェ産駒はスタミナ型サンデーサイレンス系で、ステイヤータイプだが素軽い先行力を持ち、難儀な不発が少ない堅実さが特徴で、前半に脚を溜めれば鋭い瞬発力も使える。また道悪の成績が良く、パンパンの良馬場よりも多少時計の掛かる馬場向き。丈夫さが取り柄で、詰まったローテーションや高齢馬が穴をあける。母父Storm Catはストームバード系で、斬れよりも全体のスピードに優れ、ハイペースに強いが、揉まれる競馬は苦手。大一番よりも前哨戦が向くタイプ。またストームバード系の特性として、勝負強さや底力には欠ける点と勢いがなくなるとスランプに陥る点には注意が必要。
No.〔4〕の牝系は、3歳春から力をつけてクラシックで好走するような成長力もあるが、さらに3歳秋から古馬にかけて成長力が著しい。またスタミナを活かしての好走が得意。分枝記号kは、かなり時計の掛かる馬場でのみ力を発揮する。冬場のダートや最終週の重馬場等が合う。気性が激しく、時計のかかる消耗戦に活路がある。
3着ダノンシャークは、前走マイラーズC3着(=京都芝1600m:0.1秒差)からの激走。東京芝コースは(0-1-0-3)、芝1600m戦は(2-4-2-3)でした。本馬は、前走マイラーズC3着だったが、近年では安田記念ではマイラーズC1・2着馬よりも3着馬の好走が多い傾向があり(=08年3着エイシンドーバー、12年3着コスモセンサー)、マイラーズCとはやはり求められる適性が異なり、逆転が起きるのだと考える。またマイラーズC組は安田記念では良くて2・3着という傾向も、近年の結果から読み取れるので、マイラーズC組はヒモ扱いにすべきかも。
ディープインパクト産駒はサンデーサイレンス系で、広いコースで加速をつけながら全開になる末脚が武器で、スローで脚を溜めてキレキレの瞬発力を繰り出す。一瞬でトップスピードに乗れるタイプと点火に時間がかかるタイプがいて、前者は馬体重が軽い馬、後者は馬体重の重い馬が多い。それから母系がスピード型だと一瞬の反応が速く、母系がスタミナ型だとトップスピードに乗るまで時間を要する。また道中が速いペースだと脚をなし崩しに使わされて末脚が鈍るので、距離短縮の速い流れの時には過信禁物。逆に距離延長で緩い流れとなるときには狙い目。スローでしか好走歴のない馬の距離短縮時は、疑って掛かる方が良い。ゆったりローテーションに強く、間隔が詰まるのも良くない。母父Caerleonは、種牡馬の持ち味を活かしつつ持続するスピードや豊富な成長力を伝える能力に優れている。特に東京と京都外回り、阪神といった直線の長いコースの重賞には強い。2歳戦でも戦える仕上がりの早さと高齢でも侮れないしぶとい成長力も有す。
No.〔1〕の牝系は、クラシックで好走が多く3歳春にはある程度完成する、完成度が高く仕上がりの早い牝系。3歳秋以降は緩やかに成長する。分枝記号uは、時計の掛かる馬場でのみ力を発揮することが多く、また早熟傾向。
4着マイネイサベルは、前走ヴィクトリアM3着(=東京芝1600m:0.1秒差)からの激走。東京芝コースは(1-1-1-3)、芝1600m戦は(1-1-1-3)でした。前走ヴィクトリアM3着好走からも本格化と考えていましたが、牡馬相手に好走は厳しいと考え軽視しましたが、15番人気で4着好走。格上相手に好走するトニービン系で、前走好走の勢いがあった母父サンデーサイレンスのなせる業だったと反省する。牝馬相手の緩い流れからの瞬発力勝負よりも、牡馬相手に締まった流れの方が向くタイプかもしれません。牝馬相手に上位人気の時の方が危険な人気馬になるかも。
テレグノシス産駒はトニービン系のグレイソヴリン系で、ややエンジンの掛かりは遅いがいざ点火すれば末脚を長く使えるタイプ。直線の長い東京コースや新潟コースに向くタイプが多く、テレグノシス自身の戦績のように広いコース向き。また父母父ノーザンテースト系なので、仕上がりも早いが成長能力にも優れていると思われ、古馬での成長力も豊富。展開や馬場により届いたり届かなかったりと着順が上下するが、着順を見ずに走れる展開や得意なコースでは人気薄でも狙いたい。母父サンデーサイレンスは、前走の勢いをそのまま活かして好走することの多い特性がある。瞬発力を武器に上がり特化のレースで強く、勢いのあるときには重賞挑戦はプラス要因。
No.〔4〕の牝系は、3歳春から力をつけてクラシックで好走するような成長力もあるが、さらに3歳秋から古馬にかけて成長力が著しい。またスタミナを活かしての好走が得意。分枝記号dは、精神的にタフなタイプが多く、遠征や重馬場は苦にしない。また前走好走だと次走でも好走しやすい特性も持ち、特にトライアルレースなど前哨戦快勝→GⅠは必殺のローテーションとなる。
5着サクラゴスペルは、前走高松宮記念4着(=中京芝1200m:0.3秒差)からの激走。東京芝コースは(4-0-0-5)、芝1600m戦は(1-0-0-2)でした。前走高松宮記念からの出走馬としては、1着馬ロードカナロアの完敗に事実と距離延長となる安田記念では好走は難しいと考えて軽視したが、16番人気で5着好走。東京芝コースで好走が多かったことや、『前傾・一貫』の流れでどちらかというと短距離向きの流れになったことが好走要因と考える。
サクラプレジデント産駒はサンデーサイレンス系で、函館や札幌などローカルコースが得意なタイプ。やや詰め甘な産駒が多く、単勝勝負よりも2・3着付け向きだが、素直に近走好調馬を狙うのが正解。芝の道悪は得意で、馬場が悪化すればするほど勝率や連対率が上がっていく。ダートもこなせるが、内枠から先行ちょい差しが得意の型。また母父の距離適性がそのまま得意な距離となる。母父Cure the Bleusはターントゥ系で、ダートでの実績が目立つが芝向きの中距離血統。芝は時計のかかる馬場が良い。高齢になっても力の衰えは少なく、活躍期間は長い。
No.〔13〕の牝系は、クラスの壁をキャリアを積みながら超えていくタイプが多い牝系。叩き良化型でもある。分枝記号cは、開幕週・最終週や重馬場での持久力勝負に強い傾向。欧州的な瞬発力を秘めるがゴチャつく展開は苦手。
安田記念のポイントは、
①流れは『前傾』や『一貫』といった厳しい流れになりやすく、逃げ馬の好走は少ない。開催後半の馬場を持続する末脚で伸びてくるタイプに向く。
②速い流れで時計が速くなりそうならば、適性は短距離~マイル寄りに適性がシフトする。中盤弛む場合は中距離対応型のマイラーが好走できる。
③レコード決着で好走しやすい血統に向く。シンボリクリスエス、キングマンボ系、トニービン系などは要注目(=厳しい流れでプラスαの能力を発揮するような血統)。
④ステップの傾向は、前哨戦の結果がアテにならない。ダービー卿CTやマイラーズCは開催前半の馬場で先行しての好走が多く、好走馬の適性は異なる。京王杯SCからのステップ馬は、上がり上位かどうかがポイントで、着順は度外視できる。
⑤前走の上がり上位馬に注目すべし。
⑥マイラーズC組は、3着馬が安田記念では好走が多い。1・2着馬よりも3着以下の反撃を重視。ただし安田記念では2・3着のヒモ扱いが妥当。
⑦産経大阪杯や海外GⅠ挑戦馬など、やや間隔の開いたステップ馬に注目。
→次走狙い馬:ロードカナロア,ショウナンマイティ