5頭打った「✕」印馬がすべて馬券圏外から消え、4頭ピックアップしたノンストレス馬のうちの2頭ワンツーしたにもかかわらず、予想はハズレ…相変わらず下手糞な予想をしているなぁと実感している今日この頃。
自分への戒めの為にも、今回はきっちりレース回顧というよりは、予想回顧をしておきたい。
今回ベラジオオペラに勝たれた事により、見逃されたファクターが存在が1つある事に気付いた。それは、しっかり時間を掛けて完成させた「本物の体力」が問われていたというもの。
そもそも競走馬の大半は、まずスピードが付き、調教を積む事により、後から体力が付いて来るものだ。
アメリカ血統にありがちな、2歳時で完成された体力をアドバンテージにしていた馬が、時間を経る毎にパフォーマンスを落としていくのは、ライバル達が時間を経る毎に体力を付けて能力アップしているからに他ならない。
3歳時のベラジオオペラは基礎スピードは一級品で、デビューから3連勝でスプリングSを勝つ。スピードは高かったが、当時G1を戦うには体力不足。皐月賞は10着惨敗。ダービーではインベタで仕掛けをギリギリまで待つ競馬をしたが、4着と一歩及ばなかった。
ダービーでは、不足する体力面をカバーした乗り方をされていた馬だが、今回ハイペースの流れで好位を追走し、抜け出すという強い競馬でこのレースを制した。ダービー時と比べるとエラく体力がついたなぁと印象を受けた。
そういえばイクイノックスも、ダービーまでは差し一辺倒の競馬でギリギリ足りない競馬になっていたが、有馬記念では捲り、ドバイではまさかの逃げと時間を経る毎に体力面を前面に出すようになり、G1でしっかり勝ち切るようになった。
近3年の勝馬を見ると、どれも3歳クラッシックには縁が無かった、もしくは力不足だった奥手タイプだった事に気付く。そして、2着3着馬にしても、大半は奥手タイプだ。
そういった傾向の変化に伴い、アメリカ色の前向きさはそのまま問われつつも、イギリス的な粘り強さも同時に問われるようになったと考える。ベラジオオペラの母父であり、ローシャムパークの父でもあるハービンジャーはイギリス産、ルージュエヴァイユの母もイギリス産である。今後は、ロベルト系の血にも注目したい。
成長的観点やアメリカ的前向きさで言うなら、今後は成長力のある中距離系エーピーインディ系の血の活躍も見込まれるだろう。
今回連覇を果たしたベラジオオペラは、3歳暮のチャレンジCで20kgの馬体増で勝ち、そこから、→京都記念2着→大阪杯1着と安定感を見せての初G1制覇。ダービー後は秋の一連のG1戦線を見送り、じっくり体力充填に時間を当てた事が成長に繋がり、20kg増の体力強化をもたらしたと考えている。
一昨年の勝馬ジャックドールの初勝利は3歳の春。ダービーの権利を取りにプリンシパルSに出走も5着、権利を取れなかった事から早々と休養、これが良かった。休養明けは16kg増としっかり筋力が増え、そこから破竹の5連勝。その次の大阪杯は連勝による蓄積疲労で敗れたが、休み明けで挑んだ翌年の大阪杯で見事リベンジを果たしている。
3年前の勝馬ポタジェの初勝利は2歳の秋と早かったが、そこからの成長がスローだった。次走2着後。プリンシパルS2着。その後は着々と自己条件を勝ち進んでオープン入りを果たした。リステッドレースを4連勝で飾り、新潟大賞典2着で賞金を加算。金鯱賞、毎日王冠といったG2レースで3着に入り、実力アップした事をアピール。その年の天皇賞秋に参戦したが、前向きなアメリカ気性が仇になりやすいレースがゆえの6着凡走。レースが合わなかっただけに、6着は良く走っている部類。その翌年に行われた大阪杯は、自身のアメリカ気性がプラスに働くレース。能力を遺憾無く発揮し、重賞未勝利馬の身でありながら見事G1制覇を成し遂げた。
その時の馬体重は468kg、デビュー時と比べると18kg馬体を増やしていた。
このように、近年の勝馬はクラッシック向きの最初から完成された体力ではなく、時間を掛けてじっくりと築き上げた体力にモノを言わせていたという事になるだろう。
この事を踏まえていれば、皐月賞で好走する馬やアルテミスSでリバティアイランドを負かすような、早い時期にベストパフォーマンスを見せた馬ではなく、3歳秋以降にベストパフォーマンスを見せた奥手タイプを上位に取り上げ、予想を的中させていたはずだ。
来年はこの事を十分に踏まえた予想をしてみたい。
さて、次走の期待馬…と言ってもパッと思い浮かぶ馬が見当たらない、敢えて言うならボルドグフーシュくらいだろうか?
今回は忙しい競馬だったから、はたから「✕」指定したが、距離延長ならば追走スピードが足りないこの馬には物理的に「苦→楽」。と言っても、精神的な強さもある為に、変にだらけた競馬だと気持ちが切れてしまう為に厳しさのあるレースが理想。次走が天皇賞春なら買い。レース間隔は詰まっているが、しっかり凡走しているので、ダメージは皆無だ。
消し馬の筆頭は何と言ってもジャスティンパレスだろう。完全な均衡状態で毎回5着前後で済ませようとする心身状態。
ステレンボッシュは天皇賞秋がベストチョイス。今回は真逆の適性が問われるが為、予想の段階で無印にした。ヴィクトリアマイルも良馬場開催だと、アメリカ型の前向きさが問われ不向き。春の競馬は適性のあるレースが正直ない。レースに出すなら海外で1〜2戦して休養、その後ぶっつけで天皇賞秋に参戦するのがベストだろう。変に国内レースを使うと、そこはエピファネイア産駒。競馬に飽きて、そのまま終わるリスクが大きくなる。
→次走狙い馬:ボルドグフーシュ
→次走危険馬:ジャスティンパレス