2013年 タイム 1’34”7 (良) 1FAve=11.84 3FAve=35.51
ラップ
①12.7-②11.0-③11.4-④11.7-⑤11.8-⑥12.2-⑦11.8-⑧12.1
1FAveとの誤差
①+0.9 ②-0.8 ③-0.4 ④-0.1 ⑤±0 ⑥+0.4 ⑦±0 ⑧+0.3
テン35.1-中盤23.5(3F換算35.25)-上がり36.1 『前傾』
『前傾』・・・逃げ× 先行△ 差し○ 追込◎
1着アジアエクスプレス・・・Henny Hughes×Running Stag=ストームバード×グレイソヴリン 〔4-m〕 9-7
2着ショウナンアチーヴ・・・ショウナンカンプ×サンデーサイレンス=プリンスリーギフト×サンデーサイレンス 〔1-b〕 7-3
3着ウインフルブルーム・・・スペシャルウィーク×サクラユタカオー=サンデーサイレンス×プリンスリーギフト 〔12-f〕 5-3
4着マイネルディアベル・・・ナイキアディライト×トニービン=ヘイロー×グレイソヴリン 〔21-a〕 3-3
5着アトム・・・ディープインパクト×Rahy=サンデーサイレンス×レッドゴッド 〔21-a〕 7-7
流れは、テン-上がりのラップ差と中盤の締まりから『前傾』の流れ。展開的には、追込が最も恵まれ、次いで差し、逃げ・先行には厳しい流れと考える。タイムは近年では1’33秒台の決着が多い中、今年は1’34”7のタイムで高速決着というわけではなく、ある程度パワーの要る時計のかかる馬場だったと思われる。
1着アジアエクスプレスは、前走500万条件戦オキザリス賞1着(=東京D1600m)からの好走。中山芝コースは初で、芝1600m戦も初でした。初芝でGⅠ好走と、過去にないステップでの好走でしたが、前2走のダート戦では上がり最速で好走していた馬で、ダート戦で上がり最速で好走できるパワーを有し、小回りコースという点で、内枠で先行できる馬としては侮ってはいけない馬だったと反省する。時計のかかる馬場であったことも、今回の好走要因と思われる。東京Dコースでも好走していることから、広いコースでも好走可能な馬と思うので、今回も上がり最速での好走だし、No.〔4〕の牝系でまだもともとの素質だけで走っている感じなので、これからの成長力にも期待して、今後にも期待したい馬と考える。
Henny Hughes産駒はストームバード系で、短距離~マイルの守備範囲なら多少のハイペースを先行してもバテず、前々の強気な競馬が合う。仕上がりは早く、急激な成長力こそないが、ダートもこなし高齢までしぶとい。またストームバード系は、好調期にまとめて稼ぐタイプでもあり前走好走だと好走確率が高い。ただ崩れると立て直すのに時間がかかることも多い両極端なタイプでもあるので、崩れた後は人気でも過信禁物。母父Running Stagはグレイソヴリン系で、Cozzeneを経た血統で詳細は不明。なので母父Cozzeneの特性を有していると推察し、大物喰いの特性を持ち、先行馬は二枚腰、差し馬はえげつない末脚を繰り出す。芝向きの豪腕血統で、淀みのない流れで持ち味が活きる。マイルを中心に産駒によって短・中距離もこなす。2歳から走り、一度落ち込んでも古馬になって復活する。
No.〔4〕の牝系は、2歳時にも好走可能だが、3歳春から力をつけてクラシックでも好走することの多い牝系。成長能力に優れ、スタミナも豊富。2歳時はもともとの素質で走る感じだが、3歳春シーズンになると実が入り始める。分枝記号mは、勝ち上がり率は高いが、能力の壁にぶつかると乗り越えることが少ないタイプ。よく言えば自分の持てる力を全て吐き出すが、相手がそれ以上だとあっさり負けてしまうタイプ。ただし弱い相手には滅法強いタイプ。 ただし自身が強ければとことん強い可能性は十分(=テイエムオペラオーやカワカミプリンセスなどが分子記号mで、連続好走中の上昇期は逆らうのは痛い目をみることが多い)。
2着ショウナンアチーヴは、前走500万条件戦からまつ賞1着(=東京芝1400m)からの好走。中山芝コースは(1-0-1-0)、芝1600m戦は初でした。前4走とも上がり1位を繰り出している馬で、初の1600mをこなせれば好走可能と考えて評価し、結果2着好走。母ショウナンパントルは04年阪神JF1着馬でもあり、この時期の完成度は高い一族であったし、また過去5年好走していた母父サンデーサイレンスということでも、やはり侮ってはいけなかったと考える。スピード持続型血統×サンデーサイレンス配合は、このレースでは要注目でしたが、来年は阪神芝1600mで開催になるため、この傾向が変わるか!?には注目したいと思います。サンデーサイレンス系が阪神芝1600mの阪神JFでも好走が多いので、この傾向は継続しそうな予感はしますが、中山芝1600mで好走が多かったスピード持続型血統との配合よりは、ややスタミナ型血統との配合馬の方が適性が嵌るかもと考えます。No.〔1〕の牝系より、現時点では完成度が高かったことも影響しての好走と思うので、まだまだ3歳春の段階ではアドバンテージはあるものの過信禁物と考えたい。また血統的には距離の限界があると思うので、マイル路線なら良いが中距離戦なら過信禁物としたい。
ショウナンカンプ産駒はプリンスリーギフト系で、サクラバクシンオー同様に2歳戦から短距離戦を賑わせ、芝1400mで大敗した馬が芝1200mで一変したり、芝で大バテした馬がD1200mで粘ったり、前走の着順を無視してよいタイプ。距離短縮は得意で、ローカルコースでの活躍が多い。母父サンデーサイレンスは、前走の勢いをそのまま活かして好走することの多い特性がある。瞬発力を武器に上がり特化のレースで強く、勢いのあるときには重賞挑戦はプラス要因。
No.〔1〕の牝系は、クラシックで好走が多く3歳春にはある程度完成する、完成度が高く仕上がりの早い牝系。2歳のこの時期は成長力で他の牝系よりも完成度は高い。分枝記号bは、鮮度と勢いが好走に重要なポイント。重賞初挑戦など鮮度の高い時は好走率高し。決め手には欠けるが自在性があり、格上げ戦に強い。
3着ウインフルブルームは、前走500万条件戦千両賞1着(=阪神芝1600m)からの好走。中山芝コースは初だが、芝1600m戦は(1-0-0-0)でした。前に展開しつつ上位の上がりを繰り出せる馬にて、やや外枠ながらもそれほど大きな割引にはならないと考えて、好走に期待して評価し、結果3着好走。うまく馬群を捌いて抜け出てきたのだが、上位2頭の切れ味にやや劣った分、僅差の3着。それなりに器用さは持ち合わせているようなので、今後の成長に期待したいと思います。
スペシャルウィーク産駒はスタミナ型サンデーサイレンス系で、長い末脚を使い、嵌った時の強さは破壊力十分で、カミソリというよりはナタの切れ味。その分、小回りコースでの取りこぼしやスピード競馬での不安定さがある。一方で2歳戦に強い早熟性も有するが、古馬での成長力は豊富。母父サクラユタカオーはプリンスリーギフト系で、時計の速い芝に強いマイラー血統。鋭く斬れる瞬発力、好位から抜け出す安定感があり、芝なら人気での信頼性は高い。ただし荒れ馬場では持ち味を活かせず、パンパンの良馬場でこその血統。2歳から3歳前半に活躍し、一度伸び悩んで、古馬になって再上昇する。
No.〔12〕の牝系は、早い時期から走る馬もいるが、3歳秋から古馬にかけて本格化する馬が多い牝系。また高齢でも衰えが少なくタフな馬が多い。分枝記号fは、休養明けは苦にしない反面、叩いて一変が少ないタイプ。前走好走だと調子は維持と考えて好走が期待できる。また不器用だが、決め手鋭く瞬発力勝負に強い特性がある。
4着マイネルディアベルは、前走京王杯2歳S4着(=東京芝1400m:0.2秒差)からの好走。中山芝コースは初で、芝1600m戦も初でした。朝日杯FSでは、基本的に前走好走馬の好走が多いので、その傾向からすると本馬の4着好走は善戦したと思われる。しかし馬券圏内という点では、やはり前走重賞なら連対している馬(=負けていてもそれまでの2歳重賞好走歴がある馬なら注意は必要)、500万条件戦組ならこれまで3着以内を外していない馬と考えたいと反省します。内枠の先行馬ということで、今後シンザン記念や京成杯に向きそうな馬と注意したいと思います。
ナイキアディライト産駒はヘイロー系で、地味なタイキシャトルという感じで、2歳から軽いスピードを見せ、芝・ダート兼用型で、しばらく揉まれてからそのクラスで通用するなど同系のタイキシャトルとの共通点も多い。先行して1400~1800mを粘り込むような競馬が合う。学習能力は高く、折り合いや脚質転換など競馬を覚えて穴をあける。母父トニービンはグレイソヴリン系で、母父としては万能血統。長距離を好走できるスタミナ、競っての底力、成長力などを補完する。強敵相手に好走しやすい特性や連続好走しやすい特性も持っている。一度上昇して連続好走中なら、一定期間は期待出来る。
No.〔21〕の牝系は、ダンツフレームやチアズグレイスやアローキャリーなどがいるスパルタ型の叩き良化型の牝系。分枝記号aは、気性的に素直なタイプが多く好走可能と考える。また父親よりもスケールが小さくなる傾向。
5着アトムは、前走デイリー杯2歳S2着(=京都芝1600m:0.0秒差)からの好走。中山芝コースは初で、芝1600m戦は(1-1-0-0)でした。前2走とも上がり1位で好走している馬で、位置取りもそれほど後ろからというわけではなく好位で差すタイプの馬にて、内枠の利を活かしつつ好走可能と考えて、好走に期待して評価し、結果5着。いつもは上がり上位で好走する馬なのだが、今回は内に閉じ込められてしまい、直線もうまくさばけず末脚を余してしまった感じで、今後東京芝コースや京都芝コースに変わっての反撃に期待したい馬と思います。
ディープインパクト産駒はサンデーサイレンス系で、広いコースで加速をつけながら全開になる末脚が武器で、スローで脚を溜めてキレキレの瞬発力を繰り出す。一瞬でトップスピードに乗れるタイプと点火に時間がかかるタイプがいて、前者は馬体重が軽い馬、後者は馬体重の重い馬が多い。それから母系がスピード型だと一瞬の反応が速く、母系がスタミナ型だとトップスピードに乗るまで時間を要する。また道中が速いペースだと脚をなし崩しに使わされて末脚が鈍るので、距離短縮の速い流れの時には過信禁物。逆に距離延長で緩い流れとなるときには狙い目。スローでしか好走歴のない馬の距離短縮時は、疑って掛かる方が良い。ゆったりローテーションに強く、間隔が詰まるのも良くない。母父Rahyはレッドゴッド系で、同系のレインボークエストやサクラローレルよりスタミナや底力は劣るが、器用さとピリっとした脚を使う。2歳から活躍する馬がいる一方、ジワジワ成長する馬がいて、高齢になっても力の衰えは少ない。芝・ダート兼用型で、適距離は1200~2000mの短中距離血統。
No.〔21〕の牝系は、ダンツフレームやチアズグレイスやアローキャリーなどがいるスパルタ型の叩き良化型の牝系。分枝記号aは、気性的に素直なタイプが多く好走可能と考える。また父親よりもスケールが小さくなる傾向。
朝日杯FSのポイントは、
①近年の流れは『前傾』が基本。展開的に恵まれるのは追込だが、コース形態上届かずが多く、テンは速いが脚を溜めて器用に抜け出せる総合能力が問われるので、先行馬を中心に軸にすること。
②『中弛み』が複合するときには、サンデーサイレンス系が中心。『前傾』の流れは、持続型血統向き(=欧州型血統)。
③母父サンデーサイレンスは特注。特に欧州型血統との配合馬は侮るべからず。
④これまでの2歳S好走馬が中心。先行脚質ならより注意。前走惨敗していても不良馬場など適性が合わずに凡走した馬ならば反撃可能。
⑤阪神JF好走馬なども比較して、レベルの高い2歳戦を考えること。レコード好走馬にも注目。
⑤出遅れ経験がある馬は軸にするべからず。
⑥外枠は非常に不利。本命にはしてはいけない。
ただし、このポイントは阪神芝1600mに変わってどのように変化するのか?が来年の課題です。阪神JFなどの傾向も踏まえてよく考えていきたいと思います。
→次走狙い馬:アジアエクスプレス,ウインフルブルーム