2014年 タイム 1’59”1 (良) 1FAve=11.91 3FAve=35.73
ラップ
①12.6-②10.7-③11.6-④11.6-⑤11.9-⑥12.1-⑦12.3-⑧12.3-⑨12.0-⑩12.0
1FAveとの誤差
①+0.7 ②-1.2 ③-0.3 ④-0.3 ⑤±0 ⑥+0.2 ⑦+0.4 ⑧+0.4 ⑨+0.1 ⑩+0.1
テン34.9-中盤47.9(3F換算35.93)-上がり36.3 『前傾』
『前傾』・・・逃げ× 先行△ 差し○ 追込◎
1着ハープスター・・・ディープインパクト×ファルブラヴ=サンデーサイレンス×ノーザンダンサー 〔9-f〕 9-4
2着ゴールドシップ・・・ステイゴールド×メジロマックイーン=サンデーサイレンス×マイバブー 〔16-h〕 12-4
3着ホエールキャプチャ・・・クロフネ×サンデーサイレンス=ヴァイスリージェント×サンデーサイレンス 〔12〕 9-9
流れは、テン-上がりのラップ差と中盤も締まった流れにて『前傾』の流れ。展開的には、追込が最も恵まれ、次いで差し、逃げ・先行には厳しい流れと考える。
1着ハープスターは、前走オークス2着(=東京芝2400m:0.0秒差)からの好走。札幌芝コースは初で、芝2000m戦も初でした。14年桜花賞1着・オークス2着の3歳牝馬トップクラスの馬で、能力は高い馬ということは証明済み。今回斤量52㎏と軽量で出走出来ることはプラス要因だったが、これまで洋芝コースの函館芝コースや札幌芝コースでは出走歴はない馬だったため、東京芝2400mを好走できるスタミナがあるので好走は十分可能と思うが、脚質が差し・追込という点では、小回りで直線の短い札幌芝コースでは届かずもあり得ると考えて、イメージとしては09年2着のブエナビスタのイメージにて割り引いて評価したが、結果1着好走。2着ゴールドシップが斤量57kgだったのに対し5kgの差があったことはもちろん有利に働いたと思うが、ゴールドシップよりも前で展開し、早めに仕掛けて同じように捲りつつ好走したのは、これまでにない戦法だったため、ここにきて成長の跡がみられたと考えるべき。今回は上位2頭が着差から別格の馬であると示した結果でもあり、今後の好走には期待したい。特に凱旋門賞は、3歳牝馬が斤量面でもアドバンテージがあり好走も多く、今回のように洋芝でも立ち回れるのであれば十分好走は可能と考えて、期待したいと思います。
ディープインパクト産駒はサンデーサイレンス系で、広いコースで加速をつけながら全開になる末脚が武器で、スローで脚を溜めてキレキレの瞬発力を繰り出す。一瞬でトップスピードに乗れるタイプと点火に時間がかかるタイプがいて、前者は馬体重が軽い馬、後者は馬体重の重い馬が多い。それから母系がスピード型だと一瞬の反応が速く、母系がスタミナ型だとトップスピードに乗るまで時間を要する。また道中が速いペースだと脚をなし崩しに使わされて末脚が鈍るので、距離短縮の速い流れの時には過信禁物。逆に距離延長で緩い流れとなるときには狙い目。スローでしか好走歴のない馬の距離短縮時は、疑って掛かる方が良い。ゆったりローテーションに強く、間隔が詰まるのも良くない。母父ファルブラヴはノーザンダンサー系で、同系のエリシオなどと同じく2歳や3歳春に好走する早熟の快速牝馬がでやすい特性がある。牝馬のスピード馬は多数いるのだが、現状は芝1200mや芝1400m、芝1800mが主戦場で稼ぎ所。根幹距離よりも非根幹距離を得意とする産駒が多く、平坦コースならなお良く、わずかな距離の違いや坂の有無で成績が上下する。夏を境に上昇する産駒も多く、上昇軌道に乗った馬はしばらく追いかけても損はない。トップスピードに乗るのは早くないが、速い上がりの瞬発力勝負にも対応できる。
No.〔9〕の牝系は、早い時期から好走できるが本格化前までは詰め甘なところがある牝系。小回りコースは鬼門で、広いコース変わりはプラス要因。3歳秋以降は本格化が始まり、堅実に走るタイプとなるが、人気よりもやや人気が落ちて伏兵の立場のときの方が好走しやすい特性もある。分枝記号fは、休養明けは苦にしない反面、叩いて一変が少ないタイプ。前走好走だと調子は維持と考えて好走が期待できる。また不器用だが、決め手鋭く瞬発力勝負に強い特性がある。
2着ゴールドシップは、前走宝塚記念1着(=阪神芝2200m)からの好走。札幌芝コースは(1-1-0-0)、芝2000m戦は(1-1-0-0)でした。札幌芝コースは2歳時だが重賞好走もしていて、洋芝適性は高い馬でした。東京芝コースと京都芝コースでは凡走もあるのだが、それ以外のコースでは崩れていない馬で、また近年は前走宝塚記念からのステップ馬の好走も多く、この点でも好走に期待できると考えて堅軸とみて評価し、結果2着好走。小回りコースだと比較的前に位置することもあり今回もと期待したが、今回は後方から早めのスパートの捲りで好走。1着ハープスターを捕らえることはできなかったが、3着ホエールキャプチャには0.8秒差をつける内容から、悲観する必要はなく、凱旋門賞へのトライアルとしてみるのなら良い試しが出来たのではと考える。凱旋門賞2着オルフェーヴルとは父×母父が同じ配合にて、凱旋門賞好走血統でもあるし、本馬の好走にも期待したい。またやはり高速馬場になりやすい東京芝&京都芝コースこそ割引は必要だが、それ以外のコースでは堅実な馬と今後の好走にも」まだまだ期待する。
ステイゴールド産駒はスタミナ型サンデーサイレンス系。ステイゴールドは母父ディクタスの特性がでていて、サンデーサイレンスというよりはサッカーボーイに近い特徴があり、夏~秋にかけてよく軌道に乗ることが多い。ディクタスのスタミナ型の特性とまた強敵相手に食い下がる勝負根性は、ステイゴールド産駒の持ち味。1戦燃焼型のタイプも多く、惨敗後から涼しく巻き返す能力も高い。断然人気よりも穴で狙いたいタイプで、人気馬よりもその人気馬をマークする立場の方が好走しやすい。母父メジロマックイーンは晩成型の成長力があり、古馬で本格化するステイヤー血統だが、2歳~3歳時にも第1次の成長段階がある。叩き良化型で、中長距離での好走が多い。古馬での成長能力にも期待できる。
No.〔16〕の牝系は、早い時期から走るのだが3歳秋以降に本格化する成長力があり、また叩き良化型のステイヤー特性がある。そのため距離延長で本領発揮のタイプが多い牝系。分枝記号hは、揉まれ弱く、基本的には広いコースがベストで、器用さには欠けるが、広いコースでの持久戦は得意。小回りコースの場合は外枠か先行策が必須。
3着ホエールキャプチャは、前走安田記念15着(=東京芝1600m:1.9秒差)からの好走。札幌芝コースは初で、芝2000m戦は(0-0-1-1)でした。札幌芝コースは初だったが、洋芝の函館芝コースでは(1-1-0-1)と好走も多かった馬だったので、侮ってはいけなかった馬だったと反省する。前走安田記念では15着と惨敗だったが、不良馬場で特殊な馬場だったと考えると、14年東京新聞杯1着(=東京芝1600m)好走で牡馬相手にも好走していたことや、前々走ヴィクトリアM4着(=東京芝1600m:0.1秒差)とGⅠでも僅差に好走していて、能力的にもまだまだ侮ってはいけない馬だったと反省する。今回は差しが上位を独占した結果で、展開的にも恵まれた面はあると思うが、それでも牡馬相手にもきちんと好走したことを評価したく、また今後もまだまだ牝馬相手なら上位好走は十分可能と考えて、好走に期待したい。
クロフネ産駒はヴァイスリージェント系で、鮮度と勢いが好走に非常に重要なポイントとなる。芝もダートも走れる兼用型だが、同系のフレンチデピュティと比べるとややパワー型で、持久力も豊富。勢いがある時には連勝も多く、上昇馬はクラスの壁を突き抜けて短期間にまとめて稼ぐ特性を持つ。“ダートから芝に転じて急上昇”や“詰めの甘かったマイラーが地力先行勝負で本格化”という成長パターンを示す。充実期は連勝が多く、積極的に狙える。重不良の成績も抜群で、“雨のダートのクロフネ”には要注意。母父サンデーサイレンスは、前走の勢いをそのまま活かして好走することの多い特性がある。瞬発力を武器に上がり特化のレースで強く、勢いのあるときには重賞挑戦はプラス要因。
No.〔12〕の牝系は、早い時期から走る馬もいるが、3歳秋から古馬にかけて本格化する馬が多い牝系。また高齢でも衰えが少なくタフな馬が多い。分枝記号なしは、やや晩成気味ながらも、平均的に能力を発揮するタイプと考える。
札幌記念のポイントは、
①流れは『中弛み』が基本。
②「ローカルコースの鉄則」が活きやすく、4コーナー5番手以内に位置取りそうな馬。
③欧州スタミナ型血統(=大系統ノーザンダンサー系)に注目。スタミナ型サンデーサイレンス系も好走多し。
④札幌コース巧者は要注意。中山芝コース巧者も適性高し。
⑤芝2000m好走実績も要注目。
⑥特注ステップは宝塚記念組。クイーンSからのステップ馬(=クイーンSで0.5秒差以内なら狙える)にも注意。
⑦内枠がやや有利。
⑧これまでのGⅠ好走歴など格を重視すべし。強い馬はやっぱり強い。
→次走狙い馬:ハープスター,ゴールドシップ