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「傾向」
小回り特有の締まった流れになりやすく、プラス直線が短い事から、アメリカ的なパワーと前向きさ、追走スピードが問われる。アメリカ色以外では、キンカメ系やオセアニア血統との相性もかなり良い。
「馬場読み」
今年の皐月賞が例年とは違う。これまではBコースを継続して使われていた為、6枠、7枠、8枠の活躍が目立っていた。しかし、今週は仮柵が外に移動しCコース開催となる為、おそらく内外の馬場差はなくなるはず。
「展開」
土曜の競馬を振り返ると、芝内回りの中距離レースでは、3歳牝馬と古馬で1鞍ずつ。体力不足馬の揃った下級条件という事もあり、かなり大事に乗られた感強く、いずれもスローの上がりの勝負となった。
しかし今年の皐月賞は、意外とジーティーアダマンの存在が鍵となりそう。前走の2ハロン目が10.8とかなりエグい逃げを見せている事から、「肉を切らせて骨を断つ」的な戦法に出る公算が強く、土曜の中距離レースはほとんど参考にし辛い。
外回りで行なわれた2レースは、マイルと1200㍍。しっかり流れたレースで、こちらは前が残った。連続開催の最終日、しかも今年の春は雨が良く振り路盤は本来硬くなっているはずで、外回り馬場の結果を参考にしたい。
1200㍍の袖ヶ浦特別では、前半33.7→後半33.5と前後フラットな流れで、終いが止まっておらず勝ち時計が1.07.2と速い。1600㍍の未勝利戦も、前半46.1→後半45.9とやはり前残り高速競馬となっている。
そんな事からも、ジーティーアダマンがスローに落とすとは考え難い。おそらくは前半59秒前半か?59秒を切る流れになると見る。そんな事からも、きさらぎ賞組や京成杯組といったハイペース体験馬には、経験の利がありそうなレースとなりそう。
「結論」
◎ドラゴンブースト
(血統)
父スクリーンヒーロー
母父エンパイアメーカー
(オプション)
多頭数内枠、「G3→G1」格上げ、小回り。
血統と戦歴から、最も注目しているのはこの馬。
父スクリーンヒーロー自身、かなり出世が遅いタイプだった。3歳3戦目初勝利→3歳6戦目初重賞出走5着→4歳16戦目重賞初勝利を経て、4歳17戦目でジャパンCを制した。ロベルト系らしく、キャリアを積むにつれて強くなっているのが特長だ。その特性は産駒にも受け継がれ、ゴールドアクターやモーリスといった代表産駒も同じような成長曲線を辿っている。今時のクラッシック路線は鮮度が問われる為、多いキャリアがネックになる。だから、キャリアの少ないエリートタイプが走りやすい。そんな最中、ロベルト系産駒はそんなキャリアが邪魔にならない産駒が多い。
キャリア5戦、重賞3戦、G1出走歴あり…と鮮度とは無縁で、真っ先に切りたくなるところだがそこはロベルト系、キャリアが豊富だからこそ買いなのだ。
近年の特性とは逆行してはいるが、3歳クラッシックは全く無縁という訳ではなく、ジェネラーレウーノ(皐月賞3着)やウインマリリン(オークス2着)のように路線を賑わせた馬もしっかり輩出している。
・ゴールドアクター
2歳11月 デビュー
3歳1月 初勝利(3戦目)
3歳5月 初重賞出走(6戦目4着)
3歳10月 初G1出走(9戦目3着)
4歳11月 初重賞勝ち(12戦目)
4歳12月 G1勝ち(13戦目)
・ジェネラーレウーノ
2歳7月 デビュー
2歳10月 初勝利
3歳1月 重賞初出走初勝利(4戦目)
3歳4月 G1初出走(5戦目3着)
ドラゴンブーストの特出している点は、ペース激化でパフォーマンスを上げる点。
・新馬7着(前半48.7)→未勝利1着(46.8)…前半1.9秒もの激化
・朝日杯7着(前半48.0)→京成杯2着(46.5)…前半4ハロン1.5秒もの激化
特に京成杯は「距離延長+ペース激化」の二重苦のステップ。そんなステップで、4角2番手、一旦は先頭に出るという強い内容をみせている。今年一連の3歳牡馬クラッシック戦線の中で、このレースでのドラゴンブーストが最も強かったと私は考えている。今回の出走馬の大半は流れ緩い経験しかない。一部厳しい流れの競馬を体験している馬もいるが、どれも位置取りを下げ、素直に差す競馬で対応している。しかしこの馬は、道中の位置取りは下げたものの、4角で前に取り付き勝ち負けに持ち込んでいる。つまりが、流れに逆らう競馬をして勝ち負けしているのだ。
体力、精神力申し分なく、ここは中心視してみたい。
○サトノシャイニング
(血統)
父キズナ
母父スターダブラー
(オプション)
「1800→2000㍍」距離延長、外枠。
母は超スピード型のアルゼンチン血統。
前走のきさらぎ賞は、前半58.7の締まった流れ。この流れを経験している事は実に大きい。皐月賞の流れにもしっかり乗れる事だろう。
欲を言えば、揉まれる経験が無い事。これがあれば完璧だったが、外枠なんで良しとする。
▲クロワデュノール
(血統)
父キタサンブラック
母父ケープクロス
(オプション)
休み明け
2022、2023年度連続連対したキタサンブラック産駒。イクイノックス、ソールオリエンス共にヨーロッパ色の強い母だと言う点では、この馬も同じ共通点を持つ。一見心強いデータにも思えるが、わたし的には不安なデータでもある。イクイノックスは差し脚届かず、ジオグリフ相手に一歩足りない結果。翌年のソールオリエンスは完勝だったが、これは道悪だった事が大きい。4角17番手だったように、皐月賞に限ってはちょっと追走スピード的に難があるイメージ。
ただ、ここ2戦は1番人気を背負いながら重賞を連勝。力量ナンバーワンなのは確かだし、トップスピードの速さもトップクラス。最後は確実に脚を伸ばし上位に食い込んでくるはずだ。馬券の軸として考えるなら、多少の取りこぼしを念頭に入れておきたい、連単系ではなく、連複系が理想だろう。
△キングスコール
(血統)
父ドゥラメンテ
母父フランケル
(オプション)
多頭数内枠、「G2→G1」格上げ。
血統構成からみて、主流色が強く一番まともそうな馬なのがこの馬で、クロワに対抗しうるスピードも期待できそう。
ただ、力の要る馬場でしか走った事のない馬で、実際想像したようなスピードがあるかどうかについては未知な訳で、強くは推せない。
前走は出遅れから盛り返したように、不利を克服するだけの力や気力がある。これはG1レースでは一番重要な要素となりうる。
✕ファウストラーゼン
ホープフルSは、体力的に未完成な2歳馬の中距離G1ゆえ、道中大事に乗られる事が多くペースが緩みがち。まあ、それでも、力量のある馬が集うレース。そこで大胆な捲りを見せたという事は大いに評価できる。弥生賞もトライアル質でゆったりと流れたレース。ホープフルSで捲れるのであれば、弥生賞も体力的には余裕だろう。
しかし、マイル質の追走スピードが問われる皐月賞では、捲りの最中に攻防が激化、捲る事が叶わぬまま競馬が終わるのは自明。道悪になっての追い込みならあり得るが、良馬場では苦しい。
体力的に完成された感強く、それがアドバンテージになっているのが現状だろう。イメージ的には1997年に弥生賞を勝ち、皐月賞を6着と凡走したランニングゲイルとイメージが被る。
菊花賞については、後に体力を付けた馬が続々出てくるだろくから、何とも言えない。菊でも捲れるようなら本まモンだが。
✕ジョバンニ
臨戦過程的な見地から、一番ヤバそうなのがこの馬。
飽きやすいエピファネイアが重賞2戦、G1も既に使ってしまい、エリキング、クロワデュノールとの対戦も既に済ませてしまっている…とどのつまりりが、"鮮度を感じる要素が一つもない" という事。
鮮度があったのはむしろ前走で、今まで戦った事のない弱っちいメンバーが相手。まあ、弱い相手に高いパフォーマンスを見せる馬ではないが、鮮度の高いタイミングであの程度の勝ち方なら、それ以上は無い。
✕ミュージアムマイル
超低レベルだった朝日杯2着馬。低レベル化で食いつきを見せた馬だけに、多少ハイレベル化した弥生賞でコケるのは自明で、予想でも自信の消し馬「✕」印を打つ事が出来た。
今回は極限が問われるレース。当然ここも消し。
✕ピコチャンブラック
前走は、「休み明け+メンバー弱化」という絶妙なステップな割に辛勝。加えて、体力主導系のマイナス体重による激走で上積み要素無く、これ以上期待するのはどんなものか?
✕マスカレードボール
新馬は大外を回しての差し。アイビーSと共同通信杯は少頭数のスロー。ホープフルは大外枠というのもあるが、共同通信杯の変わり身とか見ちゃうと、小回りの忙しい競馬は苦手よりはゆったりと構えられる広いコース向き。かなり気の良い淡白系だろう。小回りのここでは忙し過ぎるイメージ。ここで、コケての「距離延長+広いコース」となるダービーや菊花賞での巻き返しに期待したほうが格段に面白い。
✕ジーティーアダマン
かなり強い馬だと思う。同じルーラーシップ産駒のキセキとイメージが被る。残念なのは臨戦過程。前走10kg減で強い競馬をし過ぎた感あり、前走以上の期待は無理。見せ場は作れると思うが…
レース後は早めに切り上げて放牧へ。菊花賞に向けたプランを練ってほしい。かなりやれるはずだ。
「馬券攻略」
ワイド縦目を厚めにし、他は穴目だけに薄めに手広く攻めたい。
単勝
12 600円
ワイド
12ー16 400円
10ー12 800円
10ー16 2300円
3ー12 100円
3ー16 200円
3ー10 400円
3連複
10ー12ー16 200円
3ー12ー16 100円
3ー10ー12 100円
3ー10ー16 200円
3連単
12→16→10 100円
12→10→16 100円
12→16→ 3 100円
12→ 3→16 100円
12→10→ 3 100円
12→ 3→10 100円
先週の桜花賞は、開業2年目初G1チャレンジの森一誠厩舎のエンブロイダリーが制したが、藤野健太厩舎がドラゴンブーストで皐月賞を制覇するような事になると、開業2年目の厩舎が2週連続でクラッシックレースを制覇する事になる。
昨年、津村ジョッキーがヴィクトリアマイルでG1を制し、同期でG1未勝利は丹内ジョッキーだけなんだとか、生涯重賞勝鞍9勝と少ないものの、勝たせた馬のほとんどは穴馬。乗せて貰えさえすれば、人気以上の働きをするジョッキーである。今年は絶好調で重賞で2勝をあげている。土曜日は人気を裏切るシーンもあったが3勝。穴男振りはしっかり発揮しており、7レースでは12人気のトゥピを勝利に導いている。
そんな丹内ジョッキーがG1勝ちを果たしたら、同期だけでお祝いのイベントをしようという企画があるらしい。
ここ一番、穴男の本領を発揮して、勝利の美酒を味わってほしい。 04/20 08:43
夏影 
予想歴42年 回収率% | 予想のベースになっているのは、今井雅宏氏考案の『Mの法則』。 総拍手獲得数:1273 | |
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