アイポッパー死す。

　アイポッパーは、父サッカーボーイ、母はJRA2勝のサンデーアイ(その父サンデーサイレンス)という血統。03年6月にデビューし、05年阪神大賞典2着、05年天皇賞・春(GI)3着、さらにオーストラリアに遠征して05年コーフィールドC(豪G1)2着など、国内外の長距離重賞戦線で好走を繰り返し、06年ステイヤーズS(GII)で重賞初制覇。続く07年阪神大賞典で重賞連勝を飾っていた。今年は5戦しており、10月12日の京都大賞典(GII)3着が最後のレースになった。通算成績31戦8勝(うち海外2戦0勝、重賞2勝)。

http://sports.yahoo.co.jp/hl?c=horse&a=20081127-00000009-kiba-horse

ステイヤー戦には欠かせない存在だったアイポッパー。ナリタトップロードと同じサッカーボーイ産駒で、綺麗な栗毛が印象的だったアイポッパー。８歳馬ながらキャリアは３１戦と少なく、まだまだ活躍が期待できただけに非常に残念でなりません。

そもそも蹄葉炎とはどんな病気なのでしょう。

＞蹄の内部（蹄壁部）が炎症を起こし、血行障害により患部が壊死してしまう病気である。症状が進行すると蹄底部からの強い腐敗臭で発見することができるが、現在はレントゲン技術により、歩様の乱れなどの初期症状が出た段階で発見される。主な原因として下痢や感染症、穀類の過剰摂取による内毒素の発生が挙げられるが、特に競走馬に多い原因として、四肢に分散されていた自重の均衡が骨折等により崩れ、残りの脚に過剰な負荷が掛かることによって血行障害を起こし発症に至る例が多い。後肢より前肢に多く発生する。発症すると蹄冠（蹄上部）、蹄底部に激しい痛みと熱を帯びると共に、慢性的な疝痛（腹痛）も伴う。

症状が軽度の場合、脚の負担を軽くする特殊な蹄鉄、穀類の不摂取や適度な運動により回復する例もあるが、重症の場合は投薬治療や、最終的に蹄壁の除去や深屈腱の切断など外科治療を行う。しかし骨折が原因の場合は予後不良であることも少なくない。また、発見が遅れた場合も症状の進行を阻止するのは困難で、治癒したとしても重大な機能障害が残ることもあり、多くのケースで安楽死の処置が取られる。馬にとっては致命的な病気の一つである。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B9%84%E8%91%89%E7%82%8E

基本的には蹄の炎症が原因で、そこから様々な体の部位に広がっていく病気のようですね。サラブレッドの繊細さと脆さの両方を垣間見ることができますね。

この蹄葉炎で、古くはテンポイントやトウショウボーイ、サンエイサンキュー。近年ではミスターシービーやマックスビューティ、サンデーサイレンス、リアルシャダイ、アグネスフローラ、バーバロ等が亡くなっており、未だに根本的な治療法は確立しておらず一度発症すると完治するのが難しい病気のようです。

今年は例年に増して名馬の死が目立つ年だったように感じます。ステイヤー戦では欠かすことのできない存在だったアイポッパー。闘病生活の末の安楽死で、非常に馬も人も辛かったでしょうが、今はただ安らかに眠ってくれることを祈るしかありません。

現代医学が発達したとはいえ、まだまだこのように治療法が確立していない病気がたくさんあります。ひとつひとつ、少しずつ確実に治療法を見出していってもらいたいものです。

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